来週の金融市場見通し(2019年4月8日~2019年4月12日)
■来週の見通し
米中通商協議は大半の作業を終えた模様ですが、合意順守の枠組みなど残った課題を詰めるのが難しいと伝わっています。トランプ米大統領は、合意は数週間先になるだろうとの見方を示しており、もう少し協議の動向を見守る必要があります。来週は週末に米大手金融機関の決算発表が予定されています。英国の欧州連合(EU)からの合意なき離脱の可能性も残るため、様子見姿勢が広がる場面もありそうです。
◆株価 : 利益確定売りに押される場面も
日本株は底堅い動きが予想されるものの、利益確定売りに押される場面もありそうです。中国や米国の景気に対する過度な懸念が後退していることや、米中通商協議の進展を背景に、市場心理は改善傾向にあります。ただ、米中協議の妥結にはさらに数週間を要するとみられ、市場には慎重姿勢も残っています。また、本格化する米国の企業決算も確認したいところです。そのため日経平均株価は、2万2千円台では伸び悩むと見込まれます。
◆長期金利 : 一段の上昇は限定的
10年国債入札、30年国債入札は順調で、債券への需要は根強いものの、米中通商協議の進展期待などを背景に、長期金利は一時マイナス0.03%と約1か月ぶりの水準まで上昇しました。米長期金利とともに、低下し過ぎの修正が入った格好です。米金融市場はまだ年内の利下げを予想しており、一段の米長期金利の上昇は限定的とみられます。国内の長期金利の上昇も、米中通商協議などでサプライズがない限り、限定的となりそうです。
◆為替 : 上下とも動きは限定的
米連邦準備制度理事会(FRB)は今年の利上げを見送るとしていますが、米株が底堅い動きを見せており、米長期金利は2.4%割れから若干上昇しています。現状リスク選好の動きがやや優勢と思われますが、ドル円は上下とも値動きは限定的であり、しばらくはレンジ内での推移が想定されます。米中通商協議は中国側からの歩み寄りがあり、再び楽観的になってきているものの、結論は予断を許さず、引き続き情報に振らされそうです。
◆Jリート : 利益確定売りが一巡すれば
新年度入りしたJリート市場は、金融機関などからの利益確定売りが優勢になりました。もっとも、東証REIT指数が1,870ポイントに近づくと押し目買いも入り、底堅い動きが続きました。日銀が連日買入れていることも下支え材料。長期金利が上昇しているとはいえ、マイナス圏での動きが続いている一方、Jリートの予想分配金利回りは3.9%台と相対的に高い水準です。利益確定売りが一巡すれば、再び上値を探る動きも出てきそうです。
■来週の注目点
景気ウォッチャー調査(3月) 4月8日(月)午後3時発表
景気ウォッチャー調査の現状判断DI(季節調整値)は、2月に前月比1.9ポイント上昇の47.5となりました。日経平均株価の上昇傾向や、中華圏の春節に伴う好調なインバウンド消費(外国人観光客による消費)などが、景況感改善に寄与しました。
3月分についても、緩やかな改善が示されそうです。特に、5月の大型連休による消費活性化への期待などが、景況感を支えるとみられます。ただ、海外情勢への懸念などを背景に、現状判断DIは「良い・悪い」の境目とされる50を引き続き下回る見込みです。
米消費者物価指数(3月) 4月10日(水)午後9時30分発表
米国の消費者物価指数(CPI)は、2月に総合で前年比1.5%上昇と市場予想を下回るとともに、2016年9月以来の低い伸びとなりました。また、食品とエネルギーを除くコアCPIも前年比2.1%の上昇と市場予想と2月を下回る伸びとなりました。
足元、コアCPIでは住居費や被服費が継続的に上昇している一方、中古車を中心に自動車価格が下落しています。今後インフレ率が米連邦準備制度理事会(FRB)の目標(2.0%)付近での推移が持続できない可能性が高まっており注目です。3月は総合CPIで前年比1.8%、コアCPIは同2.1%程度の伸びを想定しています。
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