米中貿易摩擦の影響はこれから?

2018/09/07

 9月相場入りとなった今週の国内株市場ですが、日経平均はこれまでのところ軟調な値動きが目立ち、先週にタッチした23,000円台の定着はひとまず遠のいた形です。2017年大納会の日経平均終値は22,764円ですので、相場が崩れずに23,000円台トライを継続することは、昨年末比でプラスを維持することにもつながりますので、株価水準的には年末に向けて重要な局面に差し掛かっているのかもしれません。

 

 

足元の株価の上値を重たくさせているのは、米国の貿易摩擦に対する懸念と新興国経済への不安の燻りです。前者については、北米自由貿易協定(NAFTA)で米国とカナダとの再交渉の行方が注目されているほか、パブリックコメントの募集期間終了を控えて、対中国製品への追加制裁関税が発動されるかどうかが警戒されています。後者についても、トルコリラやアルゼンチンペソといった新興国通貨安の進行が落ち着いていません。

 

もっとも、米国経済は今週発表された8ISM製造業景況感指数が約14年ぶりの高水準を示すなど、好調さを保っているものの、「米株ひとり勝ち」の状況だけでは、国内企業の業績期待や日本株の割安感が指摘されていても、積極的な買いを入れにくい状況と思われます。さらに、国内で相次いで見舞われた自然災害の影響も心配されています。

 

やはり、株価の上昇には米中摩擦が改善に向かって前進することが欠かせないと言えますが、米国による対中制裁関税が発動されれば今回で第3弾ということになります。これまでの動きをざっくりおさらいすると、第1弾は76日に発動され、電子部品や産業用ロボットなど818品目、340億ドル規模でした。第2弾は823日に発動され、半導体やプラスチック製品など279品目、160規模となりました。第3弾は数千品目で2,000億ドル規模と言われています。

 

そもそも、米国による中国製品への制裁関税は交渉を有利に進めるためのプレッシャーなのですが、そのプレッシャーは段階的に強められるのが定石です。実際の制裁関税も、中国からの輸入シェアが低い品目から掛けられており、第1弾における中国製シェアは平均で約8%、第2弾では約15%と推定されています。当然ながら第3弾ではさらにそのシェアが高くなると思われます。シェアが大きいほど代替が難しく、それだけ経済への影響が強まることになります。

 

先週から今週にかけて公表された中国の経済指標(PMI)の結果からは、まだ制裁関税の影響が大きく出ていませんが、発動のタイミングからすれば影響が表れるのはこれからとなりますし、また、第3弾は品目数の多さや規模が大きいだけに、さらに先行きの不安を高めてしまう可能性があるため注意が必要です。

 

 

 

 

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