それでも捨てきれない?「米9月利上げ」の可能性
今週の日経平均は16,500円水準での横ばいの展開が続いています。国内株市場だけでなく、海外株市場や為替市場なども、いわゆる「ジャクソンホールでのイエレン米FRB議長の発言待ち」の様子見ムードですが、米ワイオミング州ジャクソンホールにて、今週25日~27日にかけてカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムが開催されます。
イエレン氏の講演は26日に予定されていますが、最近は、フィッシャー副議長やダドリーNY連銀総裁など、利上げに前向きな「タカ派」発言が相次いでいることもあり、次回(9月)のFOMCに向けて、イエレン氏からどんな発言が飛び出すのかが注目され、それが足元の相場の膠着感につながっていると言えます。
もっとも、足元の米国経済の堅調さはアピールするものの、米国の潜在成長率が低下気味であることや、中国や欧州などの外部要因の不透明感などもあり、イエレン氏の口から9月の利上げを示唆する内容は出てこないだろうというのが、現時点での市場の見方として大勢を占めています。
今後のFOMCの日程は、9月(20日~21日)、11月(1日~2日)、12月(13日~14日)となっていますが、Bloombergの調査によると、8月24日時点での利上げ確率は9月が28.0%、11月が32.6%、12月が53.9%で、年末に進むにしたがって確率が上昇しています。天気予報では、降水確率が30%になると、傘を持って外出する人が急増するそうですが、9月の利上げ確率の数値からすると、9月利上げの可能性を無視するわけにはいかない状況でもあるようです。実際に、株式と比べて利上げの影響を受けやすいとされる金の価格は、NYダウよりもやや軟調気味に推移していて、利上げを警戒しているような印象です。
経済環境としては、「もうしばらく様子を見てから、11月や12月での利上げ実施」というのが自然な流れではありますが、今年は米大統領選挙があり、政治スケジュール的に利上げが難しくなる可能性もあります。だったら、9月に利上げを行ってしまえば、逆に、「しばらくの間、追加利上げはないよ」という、先行きの不透明感を払拭するメッセージを送ることにもなり、意外と利上げのインパクトを市場が織り込むのに時間がかからなくて済むのではという見方もあるようです。
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