株式市場の楽観は続くのか
「月またぎ」で2月相場入りとなった今週の日経平均ですが、相次ぐ企業決算や、米FOMC(連邦公開市場委員会)などのイベントが注目される中、これまでのところ、節目の36,000円台を挟んだ値動きとなっています。
その一方で、比較的強い値動きを示しているのが米国株市場です。さすがにFOMCの結果を受けた31日(水)の取引では主要株価指数が揃って下落したものの、前日の30日(火)まではNYダウやS&P500が連日で最高値を更新する動きを見せていました。
31日の下落自体も、これまでの上昇相場が崩れるような印象を持たせるほどのインパクトはなく、アップルやアマゾン、メタ・プラットフォームズなどの決算の内容次第では、再び上昇してもおかしくはないようなムードが続いています。
とはいえ、FOMCでは、声明文で追加利上げに含みを持たす文言が削除された一方で、パウエルFRB議長の記者会見では、これまでの市場が描いていた次回(3月)の利下げについて慎重な姿勢を見せています。3月の利下げがなかったとしても、FRBの「次の一手」は利下げであることに変わりはなく、米国のソフトランディング見通しが崩れない限りは、「タイミングが後ずれしただけ」なのかもしれません。
ただ、米国企業の決算動向については、市場は概ね好感する動きの方が優勢ですが、これまでの市場を牽引してきた、いわゆる「マグニフィセント・セブン(M7)」の銘柄では、決算後の反応で微妙なものが増え始めています。今週30日に決算を発表したマイクロソフトは、増収増益だったものの、ガイダンス(業績見通し)が市場予想に届かず、31日の取引では3%の下落となっています。
ガイダンス自体は悪い数字ではないものの、これまでの市場の期待の方が高過ぎたため、そのギャップが修正されていくことになったというのが現在の見方ですが、最近の米国企業は好業績の中でリストラを発表するところが増えている点が気掛かりです。
さらに、米国景気のソフトランディング見通しについても、今のところ、消費の強さを背景に揺らぐ気配が感じられませんが、クレジットローンの延滞率の上昇や、地銀の決算内容を見る限りでは危うさの火種を抱えており、「実はあまり強くないかもしれない」ことは意識しておく必要がありそうです。
生成AIという期待テーマの存在が、こうした火種を覆い隠している可能性もあるため、足元で株価が上昇したとしても、昨年11月から続いてきた上昇相場の「最後の上げ」となるかもしれず、いったんの調整局面を迎える時期は思ったよりも早いかもしれません。
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