足元の株高期待は年末相場へとつながるか?
祝日をはさんで4営業日となる今週の国内株市場ですが、日経平均はこれまでのところ、株価水準を切り上げる展開となっています。とりわけ、週初11月1日(月)の日経平均が754円高の大幅高を見せました。
前日(10月31日)に投開票が行われた、国内総選挙のイベント通過によるアク抜け感が株価上昇の背景ですが、その結果については、与野党問わず、一部ベテラン議員の落選や苦戦などの話題はあったものの、全体としては、与党自民党が絶対安定多数を確保したことが評価され、株式市場の初期反応は良好だったと言えます。
過去に遡ると、2012年11月下旬からの「アベノミクス相場」も解散総選挙をきっかけに大相場へと発展していきましたが、今回の選挙結果を受けた岸田政権に対しては、議会での基盤が確保できたことは安心材料ではあるものの、政策面においては、所得分配に重きを置いている印象が強く、発足当初からの評判が必ずしも高くはないこともあり、この先どんどん上昇して行けるかどうかは微妙なところです。
とはいえ、最近の日経平均の値動きはかなり慌ただしくなっています。年初来安値(8月20日)から年初来高値更新(9月14日)まで、わずか18営業日で駆け上がったかと思えば、10月6日の直近安値まで15営業日でその上昇幅の約9割を失う下落を見せました。さらにその8営業日後には下げ幅の半分を取り戻しています。
値動きが荒いということは、足元の株価上昇についても思ったよりも高い上値をつけることも想定されます。節目の3万円や年初来高値(30,795円)はもちろん、テクニカル分析でよく使われる目標値計算で目先の上値の目安を考えると、いわゆる「N計算値」(年初来高値までの上昇幅3,841円を10月6日起点に計算)では31,134円までの上昇はあり得そうです。
確かに、2021年相場が残り2カ月を切る中、企業業績を好感する動きや、最高値圏で推移する米国株市場などの相場地合いの良さに加え、懸念されているインフレ警戒やサプライチェーンの混乱などについても、「ひとまず最悪期を脱した」という見方も強まりつつあります。
ただし、これらの懸念材料(インフレやサプライチェーン)については、冬場に向けての資源需要増や、クリスマス商戦への影響不安も燻っています。実際に、半導体不足によってゲーム機の生産が当初の計画よりも少なくなっているという報道もあり、油断はできません。
さらに、中国不動産大手企業の債務問題についても、今後の中国恒大集団の利払いの状況で一喜一憂することも考えられますし、12月に近づくと、米国の債務上限問題をめぐる米議会の攻防が再燃する可能性もあります。
もちろん、過度に慎重になる必要はないと思われますが、しばらくは、株価の上げ下げを繰り返しながら、落ち着きどころや、年末相場に向けた方向感を探る展開が続きそうです。
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