「上値追い」と「下値拾い」のバランス
今週の国内株市場ですが、日経平均はこれまでのところ、27,000円台割れの場面も見せた先週からの冴えないムードを払拭する格好で大きく反発しています。ただ、それと同時に、回復した25日移動平均線からの一段高には至らず、上値の重たさも感じさせています。
日経平均の上値の重たさは今に始まったことではなく、日経平均が年初来高値をつけた2月16日以降の上値は切り下がりの傾向を続けています。さらに、テクニカル分析で細かく見て行くと、2月16日以降の日経平均の戻り高値どうしを結んだ線(ライン)を複数描いてみると、とりわけ6月以降の線の傾きが下向きを強めています。これは、反発力の弱さを意味しています。
とはいえ、下値どうしを結んだ線に注目すると、足元では先ほどの上値の線の傾きに比べて緩やかとなっていて、下値を切り下げる力も弱まっています。チャートの形状ではいわゆる「下降ウェッジ」となっていて、2月からの下落トレンドの勢いが落ち着きつつある可能性があります。ここからの相場の下振れは、買いを入れる好機となる場面が増えるかもしれません。
その一方で、気をつけたいのが米国株市場です。今週の米主要株価指数(NYダウ・NASDAQ・S&P500)は揃って最高値を更新しています。ジャクソンホール会合(米カンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム)を前にした様子見ムードが想定されていただけに、少し以外な展開とも言えますが、堅調さを維持している状況です。
ただ、NYダウやS&P500のチャートを眺めて見ると、日経平均とは反対の「上昇ウェッジ」を形成しつつあります。つまり、下値の切り上げの角度に対して、上値の切り上げの角度が緩やかとなっています。チャートの形状からは強気に見えやすいのですが、実は、上昇ウェッジは「下値で積極的に買いが入っている割に、上値を伸ばせていない」状況を意味しているので、この後の相場が失速することが多いとされています。
最近の米国株は、新型コロナウイルスの動向をはじめ、アフガニスタン情勢や米中関係、米国景気の一服感や海外景気の減速警戒など、材料が多い割に、目立った株価の「調整」も「爆上げ」もないまま上昇基調を描いているだけに、少なくともいざ調整局面に入った時は荒れ模様の展開になりそうなことは警戒しておく必要がありそうです。
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