GCC経営™分析レポート:株式会社グラッドキューブ(東証グロース 証券コード:9561)
テクノロジー事業急成⾧で営業黒字化射程圏内―AI×UI/UXの二刀流経営が花開く局面

2026/02/25

長期展望+四半期レビュー
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修

1.長期展望:AI×UI/UXの二刀流でテクノロジー企業の新境地を切り拓く

株式会社グラッドキューブは、インターネット広告運用・SaaS提供を行うマーケティングDX事業と、スポーツAI「SPAIA」等を展開するテクノロジー事業の二本柱で成⾧を図る。2007年1月に設立、2022年9月東証グロース市場上場。マーティングDX事業はGooglePremier Partnerの認定を受け、ヒートマップ解析ツール「SiTest」は累計100万社超の導入実績をつ営業利益率30%超。SiTestはWebサイト訪問者の行動をヒートマップ・録画機能・A/Bテスト等で可視化する月額課金のストック型収益モデル。テクノロジー事業では、JRA(日本中央競馬会)・NAR(地方競馬全国協会)との独占的データ連携を背景に、競馬AI予想サービスで参入障壁を構築し、野球・サッカー等にも展開領域を拡大中である。FY2025.12期にはSPAIA事業が過去最高収益を更新し、会員数15万人を突破、成⾧ドライバーとしての存在感を強めた。JPRでは、同社の競争優位の本質はUI/UXの設計力にあるとみている。金島CEO自らがプロダクトのデザインに深く関与し、細部まで品質を追求する姿勢が組織全体に浸透しており、LINEヤフー株式会社(以下「LINEヤフー」)や米国市場関係者からも高い評価を受けている。SaaS領域ではAI技術の進化による代替リスクが議論されるが、深い顧客接点とデータ蓄積を持つUI/UX企業はむしろAI時代に生存優位性を持つ可能性がある。国内スポーツベッティング市場は潜在規模1.5兆円超と試算され、制度整備の進展次第で大きな事業機会となり得るほか、米国子会社を通じた海外展開も中⾧期の成⾧余地を広げる。なお、FY2025.12期にはAvaTwin(AIアバター動画SaaS)、SiTest Engage(AIアバター接客)、LLMOA(生成AI検索対応)、Alibaba Cloud代理店事業、生成AI共同開発、EdTech「リスナビ」、TikTokShop EC支援、DRAGON DATA CENTER等、14もの新規事業施策が同時展開されており、その一部を巻末資料で紹介したい。マーケティングDXの安定キャッシュフローを基盤にテクノロジー事業の収益貢献が本格化する局面に入りつつある。

2.四半期展望:SPAIA過去最高収益更新、テクノロジー事業の損益改善加速

FY2025.12期通期の連結業績は、売上高1,755百万円(連結初年度のため前年単体比は参考値:+12.6%)、営業損失△33百万円(前年△267百万円から234百万円改善)、経常損失△22百万円、親会社株主に帰属する当期純損失△35百万円となった。セグメント別では、マーケティングDX事業がGoogle Premier Partnerとしてのブランド力を背景に安定した収益基盤として貢献し、SiTestの月額課金収益がストック型売上の着実な積み上がりを示した。テクノロジー事業ではSPAIAが過去最高収益を更新(前年比+13.5%増収)し、会員数15万人突破がサブスクリプション収益の拡大に直結した。テクノロジー事業の営業損失は前期比で大幅に縮小し、全社的な損益改善を牽引している。FY2026.12期の会社予想は売上高1,762百万円、営業利益3百万円と通期黒字転換を計画している。注目すべきは、マーケティングDX事業の営業利益率30%超が安定的に維持されている点と、テクノロジー事業の投資回収フェーズへの移行が見え始めている点、そして121名の少数精鋭体制がAI活用により高い一人あたり生産性を実現している点である。

3.株価動向:テクノロジー事業黒字化で企業価値再評価の契機到来

同社株式は、テクノロジー事業への先行投資に伴う営業損失が続いたことで、投資家の慎重姿勢が反映された水準で推移してきた。52週高値1,340円、52週安値390円というレンジは、テクノロジー事業の成⾧期待と損益リスクの間で市場評価が揺れ動いていることを示している。しかしFY2025.12期にはテクノロジー事業の営業損失が前期比234百万円改善し△33百万円まで縮小、FY2026.12期には連結営業利益3百万円と黒字転換を見込む。マーケティングDX事業が営業利益率30%超の安定収益基盤として機能しており、テクノロジー事業の損益改善が進めば、連結ベースでの利益成⾧が加速する構造にある。リスク要因としては、テクノロジー事業の先行投資負担⾧期化、広告市場の景気感応度、およびグローバル展開の実行リスクが挙げられる。カタリストとしては、SPAIA事業の四半期業績進捗、スポーツベッティング関連の制度動向、米国事業の具体的進展が注目される。リスクはまだ大きいが、⾧期的には大きなアップサイドの可能性が十分ある
(後述キャッシュフローモデル参照)。

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