相場は依然株高志向も下振れ幅は拡大する?
2月最終週となった今週の国内株市場ですが、日経平均は24日(水)の終値で節目の30,000円台を割り込んだかと思えば翌25日(木)にはすぐに回復する動きを見せるなど、値動きが荒っぽくなっています。
株価下落のきっかけになったのは米国株市場の急落ですが、米長期金利が上昇したことで、バリュエーション(投資尺度)が見直され、過熱感が指摘されていたハイテク関連などのグロース株を中心に売られたことが日本株にも波及した格好です。
とはいえ、今後も中期的な実体経済の正常化の流れは続くと思われ、このまま相場が崩れていくのではなく、しばらくは利益確定売りと先高観の押し目買いが交差する展開になりそうという見方が優勢のようです。
また、足元の相場の弱含みの動きについて、日銀のETF(上場投資信託)買い入れが話題になっています。というのも、2月は先週末時点で日銀のETF買いが一度も行われておらず、日経平均が30,000円割れとなった24日(水)も買い入れが行われませんでした。
もちろん、最近までの株高基調を踏まえれば、ETF買いがなくても別におかしくはないのですが、日銀がETF買いを行うとされていた、「TOPIX前場の下落率が0.5%を下回る」という暗黙の条件を満たしたにもかかわらず、買い入れをしなかったことで、「日銀がETFの買い入れ方針を変化させているのではないか」という憶測を一部で招いているようです。
折しも、日銀はこれまでの金融緩和政策の点検・検証を行っていて、3月19日の金融政策決定会合で何らかの発表があるとされています。その中にはETF購入方針の見直しも含まれているのではと思われていたタイミングだっただけに、現実味を帯び始めた印象になってしまったのかもしれません。
そもそも、日銀がETFの買い入れを始めたのは、白川前日銀総裁時代の2010年10月です。当時の日本経済はデフレ下で円高と株安の進行に喘いでいましたが、ETF買いを通じて市場に資金を供給し、「物価の安定」と「金融システムの安定」を目指すのが目的でした。
その後は、なかなか当初の目的が達成されない中で買い入れ額が次第に増加し、株価も約30年ぶりの水準まで上昇してきた現在では、その効果よりも副作用の影響が懸念され始めたほか、株価の下支え材料としての存在感が強まっていることを踏まえると、ある程度の政策の見直しは行われるべきなのかもしれません。
したがって、早い段階で買い入れが行われたとしても、日銀が3月19日に発表する内容を確認するまでは、さまざまな思惑が絡みやすくなります。それまでの間にメジャーSQ(3月12日)なども予定されているため、相場の株高志向の中で株価の下振れ幅が大きくなる展開には注意が必要になりそうです。
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