行き過ぎた相場は常に投資チャンスとなる

前回9/27のレポートでは日経平均が8か月ぶりに24000円台を回復し、「ここから小型株の出番、適正日経平均は26000円」と題してコメントした。今でもその考え方には変わりないが、10月は米国市場が大きく崩れたあおりを受けて、日本株も大失速した。さて、遅くなったが9月のポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。

9月のマーケットは日米市場とも上昇する展開となった。

米国市場は3ヶ月続伸し、NYダウは8か月ぶりに過去最高値を更新。8月の雇用統計は予想の+19万人に対して+20.1万人と上回り、時給が+2.9%と09年6月以来の伸び。トランプ大統領が中国への第3弾の報復関税2000億ドルを発表したものの当初予定の25%から10%へ引き下げられ、中国の報復措置600億ドルも5~10%と低率にとどまり過度な警戒感が後退。8月の製造業景況感指数は14年3ヶ月ぶりの高水準となり、耐久消費財受注は予想以上に好調。アップルは新製品発表で買われ、貿易摩擦後退からボーイングも上昇。9月のNYダウは26458ドルと前月より493ドル上昇し月間騰落率は+1.9%。ナスダックは8046となり63ポイント下落の-0.8%となった。

東京市場は4ヶ月続伸し、日経平均は一時27年ぶりにバブル崩壊後の高値を更新。貿易摩擦懸念の後退や新興国通貨の反発を受けて、米国株に対する出遅れ感から海外投資家が積極化。上海市場も大幅に反発したため、損失限定のための買い戻しも入り先物に断続的買いが見られた。為替は先月末の111.00円から今月末は113.50円へ。売買代金は2.7兆円程度に増加。9月の日経平均は24120円で取引を終え、8月末の22865円から1254円上昇し月間騰落率は+5.5%、Topixは+4.7%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+0.2%、マザーズ指数は+2.7%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における9月のパフォーマンスは+5.7%となり、年初来+6.8%、累計では+185.5%(8月末+170.0%)と大きく前進。9月末時点のポートフォリオの株式比率は87%で29銘柄を保有(8月末は85%で29銘柄を保有)。株式部分の含み益は+39.5%(8月末は+31.0%)。87%のうち現物株のウェートは42%、日経レバレッジETFの保有比率30%の実質ロング比率は60%でロングは合計102%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは77%のロングポジションである。8月末の75%から上昇した。

NYダウと日経平均の格差について「3000ポイント以上の格差は売られ過ぎ」と指摘してきたが、9月末において2320ポイントまで縮小(今年の最大格差は9/7の3756ポイント、最小格差は5/2の1626ポイント)。日経平均の9月末の1株利益は1733円でアベノミクス相場平均のPER15倍を当てはめると26000円。一段の株高が進む可能性が高まってきたと同時に、10月からは小型株の上昇に期待したい、というのが9月末時点での見解だった。

ところが、10月に入ると再び大きな下げに見舞われ第4週時点で2936円下落の12.1%安となっている。下落の大きかった2月が1030円下落の4.5%安、3月が614円下落の2.8%であり桁違いの大きさ。しかも10/2が27年ぶりの高値水準であったことを考えると、まさに天国から地獄へ引きずり下された感がある。

米国企業の3Q決算は好調であり、ほとんどの企業が予想を上回っている。日本企業の決算は今週から本格化しているが、堅調な業績が期待される。現在のマーケットはファンダメンタルズの良し悪しとは関係なく株価が動いているが、この状況がずっと続くわけではない。しばらく相場は不安定な状況が継続すると思われ、激しく乱高下した場合に、日経平均が一時的に20000円を切る可能性も考えられる。だが、本日はハロウィーンであり相場上昇の起点になりやすいタイミングに入る。前向きに立ち向かっていただきたい。行き過ぎた相場は常に投資チャンスとなってきたのが過去の教訓である。

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