成長力が相場のすべてを決める

1月のマーケットは大発会のロケットスタートで始まったが、その後は一方的に進む円高や米国株の急落で非常に厳しい展開となっている。さて、遅くなったが1月のポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。

1月のマーケットも日米市場ともに続伸する展開となった。

米国市場は10か月続伸し、NYダウは初の26000ドル台に乗せ、ナスダックも7000ドル台乗せとなり、主要3指数ともに過去最高値を更新。12月の雇用統計は+14.8万人と予想の+19万人を下回ったことで利上げペースが緩やかになるとの見方。12月の世界のPMIは7年ぶりの水準となり、10-12月期の決算発表のうち70%以上の企業が予想利益を上回り、収益拡大期待から買い優勢に。原油先物価格が66ドル台に乗せ、長期金利が3年ぶりの高水準となる2.75%を付ける。1月のNYダウは26149ドルと前月より1430ドル上昇し月間騰落率は+5.8%。ナスダックは7411となり508ポイント上昇の+7.4%となった。

東京市場も5か月続伸。大発会の日経平均は741円高となり、その後も買われて26年ぶりに一時24000円台を回復し、ジャスダックは27年ぶりに過去最高値を更新。3Q決算は好調な企業が目立つ。しかしながら、ムニューシン財務長官が「弱いドルは米国の利益になる」と発言したため一気にドル安・円高が進んで利益確定売りの展開に。米国の長期金利の上昇は円安に作用せず。売買代金は3兆円程度で推移。為替は先月末の112.70円から今月末は108.70円へ。1月の日経平均は23098円で取引を終え、12月末の22764円から333円上昇し月間騰落率は+1.5%、Topixは+1.1%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+7.3%、マザーズ指数は+6.6%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における1月のパフォーマンスは+1.5%となり、年初来+1.5%、累計では+171.5%(12月末+167.4%)と前進。1月末時点のポートフォリオの株式比率は80%で25銘柄を保有(12月末は77%で23銘柄を保有)。株式部分の含み益は+34.2%(12月末は+33.1%)。80%のうち現物株のウェートは40%、日経レバレッジETFの保有比率25%の実質ロング比率は50%でロングは合計90%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは65%のロングポジションである。12月末の62%からアップした。

1月のマーケットは日米市場ともに上昇したが、全般を通じて米国株が順調に上昇するのとは対照的に、日本株は後半に値を崩す展開となった。ムニューシン発言を受けて為替が投機的な動きとなり月初の113円から108.70円へと4円以上円高が進み4か月半ぶりの高水準となったことが痛手。ドルの独歩安が進み欧州株も下落に巻き込まれた。その一方で、米国の長期金利が警戒水域の2.70%を越えたため、ダウンサイドリスクが意識された。

2月はボラティリティの急激な上昇でNYダウが2/2に665ドル安、2/5に1175ドル安と大きく下げ2/8には23860ドルを記録。1/26の高値26616ドルから下落幅は2756ドルとなり-10.4%の下落率。その後は切り返す展開となっており2/27時点で25410ドルとなり安値からの戻り率は56%。一方、日経平均も大きく下げ2/14には21154円まで下げ、1/23の高値24124円からの下落幅は2969円、下落率は-12.3%となった。2/27時点で22389円まで上昇し安値からの戻り率は42%と出遅れている。

今後最大のリスクファクターは金利上昇であるが、仮に米国の長期金利が3%超のレベルになったとしても企業収益がそのインパクトを吸収する形であれば、株式市場にとっては大きな脅威にはならないはずである。年初の113円台から105円台へと投機的に動いた為替が円安方向に是正されれば日本株にはメリットが出てくる。今回の米国の下落はこれまでのスピード違反ともいえる上昇速度への警鐘であり、適切なバリュエーション形成の過程のひとつと捉えていいと思う。

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