いよいよ大事な局面に突入

2012/02/07

1月のマーケットは久々に日米市場ともに揃っての上昇となった。

米国市場は続伸。NYダウは1/25には12756ドルをつけ昨年5/10以来8ヶ月ぶりの高値を回復した。欧州債務問題における新たな懸念材料がなく、主要各国の国債の入札が順調に消化されたことやIMFによる追加融資枠拡大の発表などで投資家心理が改善。世界経済に関する指標も中国の10-12月のGDPが予想を上回る+8.9%となったことやユーロ圏のPMI(購買担当者景気指数)が高水準となったこと、米国の12月の雇用統計が20万人の増加となり失業率が8.5%へ下落したことなどが好感された。またFRBによる超低金利政策の継続が延長された従来の13年半ばから14年後半に延長された。米国主要企業の決算も概ね堅調であった。1月のダウは12632ドルで取引を終え415ドル上昇し月間の騰落率は+3.4%。ナスダックは2813ドルとなり208ドル上昇の+8.0%となった。

日本市場も順調なスタートを切り、日経平均は1/25に8883円まで買われ昨年10/31以来3ヶ月ぶりの水準を回復した。欧州債務問題の緩和、世界経済への先行き懸念の後退に加えて、急速に進んでいた円高がやや円安方向に進んだため(対ユーロは97円台から102円台まで水準訂正)、これまで大きく売り込まれていた輸出関連の主力銘柄がリバウンドし、相場全体の上昇に寄与した。「世界的に出遅れている日本株」という視点で外国人投資家の資金も流入したため、月の半ばからは東証一部市場の売買代金が1兆円を回復。1月の日経平均は347円上昇の8802円にて終了し月間騰落率は+4.1%、Topixは+3.7%と上昇。一方、小型株市場はジャスダック平均が+4.1%となったのに対しマザーズ指数は-6.6となり不調だった。SNS関連銘柄の下落が足を引っ張った。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における1月のモデルポートフォリオのパフォーマンスは+1.6%で着地。累計パフォーマンスは+45.5%(12月末+43.3%)となった。ポートフォリオ運用においては、昨年の12月末において株式投資ウェートは24%と極めて低水準であったが、1月は相場の動向を見ながら徐々に新規銘柄への投資および既存銘柄の買い増しをおこない、33%の水準まで引き上げた。

さて、1月のスタート時から上昇してきた日経平均も1月末からは踊り場的な様相を見せている。現状からどういう方向にマーケットが動くのかを見極める大事な局面入りである。

今、日経平均はまさにテストされている。12/7につけていた直近高値の8729円を超えたため、その次のターゲットである10/31の9152円を目指して動くかどうかが要注目である。この水準を抜けてくれば、上昇局面入りとなり次は7/4の10207円のレベルを目指すかどうかがテストされる。しかしながら、8729円を下回ってくれば再度、従来からのボックスレンジである上値8700円~下値8300円レベルでの攻防となる可能性が高い。「世界経済の先行き懸念」「欧州債務問題」「円高」の3つのネガティブファクターはそれぞれやや緩和されつつあるが、まだ予断を許さないだろう。

太田忠投資評価研究所株式会社
機関投資家が敗者のゲームならば、個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう!株式投資を資産増加に直結させ、個人投資家の資産運用力向上のためのサービスを提供する太田忠投資評価研究所の太田忠のコラム。