二十代の個人投資家を期待する
7月31日の未明、大きな揺れで目が覚めた。福島県沖で震度5強の地震である。6月頃には「とうとう余震も収まったか」と思っていたのだが、最近また増えている。
台風6号によって大雨被害を受けた高知に続いて、今度は新潟・福島地域で大雨。しかもわずか数日のうちに年間降水量の半分にも相当する1000ミリ以上の雨が降るというかつては考えられなかったことが起こるようになった。1000ミリといえば1メートルである。信じられない量だ。
もはや夏本番の季節であるはずなのに東京はどんよりとした日が続き、時には肌寒い日もある。今頃は蝉の声がかしましいはずなのに、まだ一度も今年は蝉の鳴き声を聞いていない。……おかしなことばかりである。
さて、太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け投資講座の「投資実践コース」におけるモデルポートフォリオの7月のパフォーマンスは-1.2%で着地した。2011年の年初来では+8.8%、累計では+49.7%となった。6月は+3.0%となり今年の2月以来4ヶ月ぶりに年初来高値を更新し年初来では+10.1%、累計では+51.4%を記録していたのだが、やや後退した。
7月のマーケットは中旬までは日経平均が久々に1万円台を回復するなど、上昇基調の展開であったが、米連邦債務の上限引き上げ問題が紛糾したことで流れが一変した。米国債の債務不履行懸念が台頭し、米国景気への先行き不安が追い打ちをかけたため、7月第4週のNYダウは537ドルも下げて4.2%安を記録。これは今年最大である。ドルが売られたため、結果として円高が進み76円台に突入。過去最高値の水準に達している。
米国債務問題は一応の決着がついたようであるが、日本株市場は相変わらず外部環境に振り回される展開が続いている。今後の米国ならびに欧州の動きがどうなるかをウォッチするしかない。明日のことがわからない日が続くだろう。明確に言えることは、日本市場は4月以降は完全なボックス圏入りしており、なかなか3/11以前の株価水準を奪回できるだけの好材料が揃わない状況が続いているということだ。
あまりパッとしない状況の中、最近弊社では嬉しいことが起こっている。それは「投資実践コース」の新入会員においてこれまでの最低年齢を更新する1986年生まれの男性が入会してきたことである。1986年生まれ-すなわち25歳である。投資の初歩を学ぶ講座である「投資基礎講座」にはもちろんこれまでもこの年代層は存在していたが、実践コースでの20代はごく少数派であり、25歳は最もフレッシュマンである。
今の20代の人たちは自分たちが社会的に置かれている劣悪な自己環境に対してぼんやりとした意識しかなく、自分に対しても自信なさげで、「これから本当に大丈夫なのだろうか?」 という人が多くなっているというのが私の偽らざる個人的印象である。将来的には日本はどんどん厳しく悲惨な状況になっていく。そういう意味でも、ロングタームの人生プランを実現するためのすべての土台・基礎となる「お金」に対する考え方を確立し、戦略的に「資産運用」を実践していくことに若い人たちこそ目覚めていただきたいと思う。
若い人の強みは資産運用において複利効果をもたらす「時間軸」が長い、ということである。