オミクロン株で振り出しに戻るのか?
紅葉シーズンもいよいよ終わり。私はデジタル一眼カメラをやっているので、あちこちで紅葉の撮影を楽しんだが、皆さんはいかが過ごされたであろうか?
日本でのコロナ感染者数の激減、GoToトラベル再開の検討…と前向きな状況になっていた矢先、11/26に突如世界を駆け巡った南アフリカ発の「オミクロン株」。世界マーケットに激震と動揺が走っている。今回はその影響度を考えたいと思う。まずは10月のポートフォリオの状況ならびに11月の近況について記したい。
10月のマーケットは米国市場の上昇に対して、日本市場は下落する展開となった。
米国市場は大幅反発。9月はコロナ感染拡大で景気回復が遅れるとの見方から大きく値を下げていたが買い戻しの展開となり、NYダウ、S&P500、ナスダックの主要3指数揃って過去最高値を更新。9月の雇用統計は+19.4万人と予想の+50万人を下回るものの失業率は4.8%と前月の5.2%から低下。債務上限問題で12月初めまでの延長が与野党合意したと伝わり安心感。7-9月期の企業決算は好調。インフレ懸念から長期金利は一時1.67%と5か月ぶりの水準にまで上昇したものの長期金利は1.51%まで低下。原油は84ドル台まで上昇。10月のNYダウは35819ドルと前月より1975ドル上昇し月間騰落率は+5.8%。ナスダックは15498となり1049ポイント上昇の+7.3%となった。
東京市場は反落。米国市場の反発とは対照的に日経平均は12年3か月ぶりに8日続落を記録。岸田首相の金融所得課税引き上げ発言、中国恒大集団の株式取引停止や中国・香港市場の急落を嫌気。加えてヘッジファンドによる投機的な先物売りが重荷に。日経平均は一時27200円台まで下落。日本企業の2Qの決算発表を前にして動きづらく、衆院選で自民党が議席を減らすとの観測も重荷に。為替は先月末の111.85円から今月末は113.60円と円安が進行。売買代金は2.9兆円程度と商いしぼむ。10月の日経平均は28892円で取引を終え、9月末の29452円から559円下落し月間騰落率は-1.9%、Topixは-1.4%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が-1.1%、マザーズ指数は-1.8%となった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における10月のパフォーマンスは-3.9%となり、年初来+16.8%、累計では+251.2%(9月末+265.6%)と後退。10月末時点のポートフォリオの株式比率は86%で34銘柄を保有(9月末は84%で33銘柄を保有)。株式部分の含み益は+77.5%(9月末は+88.5%)。ただし、86%のうち現物株のウェートは51%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計92%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは67%のロングポジションである。
10月のマーケットは9月とは正反対の意味で日米市場は対照的な動きとなった。岸田政権の誕生で先高観が急速にしぼみ、金融所得課税引き上げを目指す姿勢が嫌気された。金融所得課税は撤回されたものの先高観の回復には至らなかった。また衆院選での自民党の苦戦予想も株価停滞の要因になった。
11月に入ってからは、衆院選で自民党が予想外の勝利を収めたことにより閉塞感が打ち破られ、一時は3万円台寸前まで買われたものの欧米でのコロナ感染拡大で利益確定優勢の展開に。さらには11/26(金)に世界を駆け巡った新たな変異株オミクロンへの警戒感から日経平均は11/26に747円安、11/29に467円安と急落(トータルで4.1%安)。「デルタ株よりも感染力が強い」「今のワクチンが効きにくい可能性」と報じられており、今後の先行きが気になるところだ。しばらくはリスクオフの展開になる可能性がある。
とは言うものの、すでに大きなパンデミックを一度我々は経験しているため、新たな変異株に対して「底なしの恐怖」に怯える必要はない。短期的には急落に見舞われる可能性はあるものの、大きな下落は常に投資のチャンスを我々に与えてくれたことは何度も経験済みである。「ピンチをチャンスに変える」ことこそ、我々が最も得意としているところだ。過度に悲観せず、投資の好機を探っていきたい。
ちなみに2020年3月のコロナショックで日経平均は30%下落したが、仮にオミクロンが驚異的な存在であったとしても、下落率は半分程度に留まるとみている。
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