主役は成長株からバリュー株へ

2021/02/25

今年は関東で春一番が2/4に吹いて史上最も早い記録となった。梅も早々に咲き出し、もはやどんどん散り始めている。実感として季節が1ヶ月ほど早目に進んでいる感じがある。そういえば昨年も5月に入るととんでもない暑さを経験したのを思い出した。我々の季節感も修正が必要かもしれない。さて遅くなったが、1月のポートフォリオの状況ならびに2月の近況について記したい。

1月のマーケットは米国市場の下落に対して、日本市場は上昇する展開となった。

米国市場は反落。月半ばまで主要3指数揃って過去最高値を更新したものの、下旬にかけて個人投資家による投機的動きへの警戒感が高まり、VIX指数は一時37と3か月ぶり高水準。ヘッジファンドが空売りの対象とする銘柄の急騰が相次ぐ。12月の雇用統計は予想の+10万人に対して-14万人と8か月ぶりにマイナスに転じ、失業率は横ばいの6.7%。長期金利は一時1.18%と昨年3月以来の水準に。12月の小売売上高は-0.7%と3カ月連続の減少。1月のNYダウは29982ドルと前月より624ドル下落し月間騰落率は-2.0%。ナスダックは13070となり181ポイント上昇の+1.4%となった。

東京市場は3ヶ月続伸。国内でのコロナ感染者数の急増を受けて緊急事態宣言発令への懸念から月初は売りムード。その後は米国の追加経済対策と原油高が後押し。売り方の買い戻しも入り、日経平均は一時29000円手前の水準まで買われて30年半ぶりの高値に。その後は米国株のボラティリティ拡大を受けて利益確定売りの動きが目立つ。決算発表は半導体関連を中心に好調。10-12月の中国のGDPは予想を上回る。為替は先月末の103.30円から今月末は104.75円と円安に。売買代金は2.7兆円程度と商いやや膨らむ。1月の日経平均は27663円で取引を終え、12月末の27444円から219円上昇し月間騰落率は+0.8%、Topixは+0.2%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+1.5%、マザーズ指数は+1.0%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における1月のパフォーマンスは-1.1%となり、年初来-1.1%、累計では+197.2%(12月末+200.6%)とやや後退。1月末時点のポートフォリオの株式比率は82%で33銘柄を保有(12月末は81%で32銘柄を保有)。株式部分の含み益は+53.7%(12月末は+56.9%)。ただし、ただし、82%のうち現物株のウェートは47%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計87%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは62%のロングポジションである。

11月から12月にかけて日本市場は大きく巻き返したため、1月の反動安が警戒されたものの、結局はプラスで終わる結果となった。日経平均の上昇率が目立つが、下旬にかけてはブレーキがかかった。米国市場において個人投資家の投機的行動が日に日に強まり、マーケットを攪乱する要因となったことが嫌気された。

2月に入るとそうした動きも影を潜め、日経平均は30年半ぶりに3万円台に乗せるというスピード上昇を見せている。相場を牽引しているのは、海外の海外投資家であり短期筋のみならず長期スタンスの資金も継続して流れ込んできている。

我々が懸念材料として注視している米長期金利だが、上昇のトレンドが見られる。2月下旬に入ってついに1.3%台まで上昇し1年ぶりの高水準となった。まだインフレ懸念とまではいかないものの、早くも金利上昇を受けてこれまで大きく買われてきた高PER株は売られる兆候が出てきた。金利上昇は成長株にとっては逆風となるため、今までの牽引役が変化していく可能性が出てきている。高PERは正当化されづらくなり、反対に放置されていたバリュー株が買われる流れに差し掛かってきていると我々は考えている。大きく上昇して恩恵を受けた銘柄群からのシフトを進めていくべきだろう。なお、NYダウと日経平均の株価格差は通常ならば3000ポイント前後だが、今や2000ポイントを切るレベルにある。やや行き過ぎの感があるので短期的な調整が出てきてもおかしくない。

弊社のモデルポートフォリオのパフォーマンスも過去最高値を更新しているが、決算発表を点検しながら一段のパフォーマンス向上に努めていきたいと考えている。

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