日本株短期反発場面へ、勿論長期ブルシナリオは不変
【ストラテジーブレティン(147号)】
ここ 3 週間世界金融市場は 15~20%の大暴落となり、投資家はリーマンショックの再来かと身構えさせられた。しかし、それは杞憂であった。当面考えられるリスク(悲観仮説)はすべて織り込まれ、売り方の弾丸は尽きたように見える。FOMC でどのような決定がなされても、それを機に世界株式は反発するだろう。国際投機家の怒涛の売却に最も翻弄されてきた日本株式はしばし世界株式のベストパフォーマーになるかもしれない。①国際投機筋の買戻しに、②国内機関投資家のリバランス投資、③個人投資家の底値買い、が揃い相当の需給相場が始まりそうである。
相場下落の 2 要因は完全に株価に織り込まれたと見られる。
1. 中国が経済失速、金融メルトダウン、経済危機に一方方向に凋落し、世界をリセッションに導くという悲観仮説
⇒ 将来の話としてその可能性を考慮せざるを得なくなった、そして投資家にはっきりと認識された。しかし短期にはそれは起きないこともはっきりした。2015 年後半は米国も日本も欧州も先進国経済は年前半の減速場面を経て成長率が高まる趨勢にある。原油価格下落による疑似減税効果が常に先進国経済を押し上げてきたこと、その効果が今回は未だ顕在化していないことを示した図表 1(ドイツ銀行ニューヨークのチーフ・インターナショナル・エコノミストのトレスタン・スロック氏作成)を参照されたい。
中国も政府が強力(ゴウリキ)で株価と為替の下落を抑えにかかっている。マネーサプライの増勢が強まり、不動産価格が小幅にリバウンドするなど、経済が小康状態に入る様相がみられる。企業活動やミクロ経済統計などで中国発のネガティブニュースがあったとしても、しばらくそれは新たな悪材料とは受け止められないのではないか。