「もしトラ」の考察~トランプの挑戦は株高、ドル高要因か~

2024/06/03

【ストラテジーブレティン(355号)】

選挙結果に予断は許されない。しかし「もしトラ」に関するお問い合わせが余りにも多いので、以下に論点を整理した。

(1) トランプ優勢の不思議
世界最大の政治経済イベント米国大統領選挙が早くも半年後に迫ってきた。驚くべきは天衣無縫のヤンチャものの印象が強烈なトランプ氏が再選される可能性が強いと伝えられていることである。4件の刑事訴追を受けており、5月30日には大統領経験者として初めて有罪評決を受けたが大統領選挙への悪影響は限定的と見られている。前回の大統領選挙でのバイデン勝利を盗まれたものと全く認めず、現大統領の正当性を頭から否定し続けているトランプ氏は、1年前までは死に体とすら見られていた。それが刑事訴追が始まると、政治的迫害を受けているというキャンペーンが功を奏し、かえって支持率が高まった。選挙勝敗の鍵を握る接戦7州(アリゾナ、ジョージア、ネバダ、ミシガン、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシン)をみると、前回はバイデン氏が6勝したのに対して、今回は全ての州でトランプ氏が優勢との調査となっている。この情勢はメディアや専門家の予測を大きく覆すものである。何故であろうか。

雇用構造の大変化
米国の経済社会の底流で大きな構造変化が起きており、その変化に対するトランプ氏の果敢な挑戦が、有権者と嚙み合い始めている、と考えざるを得ない。明らかに米国経済社会には2つの変化が起きている。その第一はテクノロジーの進歩と国際分業の進展による雇用構造の変化と中間層の消失である

>>続きはこちら(551KB)

株式会社武者リサーチ
武者ストラテジー   株式会社武者リサーチ
「論理一貫」「独立不羈」「歴史的国際的視野」をモットーに、経済と金融市場分析と中長期予想を目的とし提供していきます。
著作権表示(c) 2013 株式会社武者リサーチ
本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。本書および本書中の情報は秘密であり、武者リサーチの文書による事前の同意がない限り、その全部又は一部をコピーすることや、配布することはできません。

このページのトップへ