対韓国輸出規制がえぐりだした日本の国際分業での優位性
~際立つ日本製品の希少性~

2019/07/05

【ストラテジーブレティン(228号)】

(1) 顕在化したオンリーワンの日本の強み
相互依存が深く絡み合う国際分業において、希少性の重要性が如実になっている。米中貿易摩擦では、半導体設計における必須技術を提供するアームとの取引が停止されることにより、ファーウェイの新製品開発は著しく困難になっている。

安倍政権の対韓国通商姿勢変化
また、安倍政権は半導体と有機EL生産に必須のフッ素系2素材(フッ化ポリイミド、フッ化水素)とレジストの3品目の韓国に対する輸出優遇措置を撤廃した。元徴用工問題で韓国政府に対応を促すのが狙いで、韓国の対応次第では輸出規制に結び付く。第二、第三の輸出規制対象品目の拡大もあり得る。フッ素系2素材やレジストは日本が世界シェアの大半を占め、その調達ができないと生産ラインが止まってしまう。韓国の生産ラインが止まれば日本の他の部品や材料の販売がダメージを受け、被害は日本に返ってくる懸念はある。

しかし韓国での生産が滞れば、競合する台湾、中国企業がそのシェアを奪い、そちらで日本の素材部品企業の追加需要が発生する。中国と伍し世界最大級の半導体、スマホ生産国である韓国のボトルネックを、日本のサプライ(素材・部品・機械装置など)が抑えている現実が浮き彫りになった。スマホ、テレビ、パソコン、液晶、半導体などの最先端ハイテクの生産集積は、世界で唯一北東アジアのみに存在しているが、その理由は日本が大半のサプライを供給しているからで、要(カナメ)は日本なのである。韓国・台湾・中国の製品は他国で代替が効くが、日本のサプライはオンリーワンでそれができない。

希少性は将来の価格設定を有利にし、いずれ収益力に結実する。スマホ、半導体等での価格競争で負けた日本は、その土台をなす無数のサプライ領域で技術・品質優位の希少性、オンリーワンの地位を獲得しているのだ。この希少性は5G、IoT時代の製品開発でますます威力を発揮する。日本の国際分業上の優位性が、顕著になっていくだろう。

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