FM 今月のポイント(2016年12月)

2016/12/05 <>

*トランプラリー継続で年末は日経平均株価が昨年末終値を超えることができるのか?⇒ 12月14日の FOMC (25bpの利上げの可能性が高い)を無事通過するか否かにかかっていると思います。利上げ後もリスクオンが継続して NY 株高、ドル高円安が継続すれば日経平均株価は19,000円(昨年末終値は 19,033.71 円)を上抜けて 20,000 円大台に迫る場面が期待されます。現状の世界経済、世界リスクマーケットは米国の利上げに耐えうるのでしょうか?⇒昨年の利上げ時はタイムラグを伴いチャイナショックが発生しています(年明け後 2 月にかけて顕在化:2月12日には日経平均株価が 14,800 円台まで下落した)。中国の景況感が悪化しつつある中で、利上げに伴う資金還流が中国からの資金逃避を加速させ、過度な人民元安を回避するためのドル売り元買い介入が 中国の外貨準備を激減させたことが世界的な過剰流動性モメンタムの減退につながり、世界のリスクマーケットが大きく動揺したわけです。今回は大丈夫なのか?⇒中国の景況感は悪化に歯止めがかかりつつあると思われます(中国の景況感を把握することは容易ではないが、経験則上は銅価格とパラレルに動いている:銅価格は今年1月の4,471.79ドル / トンから10月には4,731.26ドル / トンに上昇している)。しかも OPEC の減産合意もあり原油価格が50ドル台に乗せていることを考えると、中国や新興国の景況感も昨年末から今年前半にか けての時期と比べて良好に推移していることが予想されます(2月11日のWTIは26ドル台)。欧州の銀行リスクも気になりますが、ECBもBOEも過度なセーフティーネットを構築するとともに、追加緩和の余力を残しています。従って、今回の利上げによる潜在リスクの顕在化は無いものと思われます。

*年末に向けて日経平均株価 19,000 円オーバー、ドル円相場 117 円台オーバーを想定しています。問題は物色動向です。ショートカバーが一巡しつつあるメガバンクですが、ここにきて外国人投資家からの新規買いも入り始めているようです(トランプ大統領の金融規制の緩和を考えると欧米大手に比べて日本のメガバンクは割安に見えるようです)。銀行株が主導するバリュー相場が継続するのか?、グロース系の反動上昇があるのか?⇒トランプノミクスを前提とする期待先行相場だけに短期モメンタムが重要です 。当面は バリューの一段高に分がありそうです。銀行株を中心としたバリュー株主導の日経平均株価上昇に加えて、PBR が依然として0.7倍を割れているような小型割安株にも資金が流入するものと思われます(外国人投資家が割安な東証2部株に資金を振り向けている傾向が見られる)。

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