18年7-9月期GDP1次速報について(日本)
2018/11/14
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前期比年率-1.2%でした。相次いだ自然災害の影響が幅広く景気を押し下げました。
- 1-3月期に続くマイナス成長が影響し、今後の反動増を考慮しても、年間は+1%割れにとどまりそうです。
- インフレ率が持続的に上昇する可能性は当面小さく、金融政策正常化は進みにくいと思われます。
物流インフラ寸断が大きく影響
本日、内閣府が発表した18年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率-1.2%でした。1-3月期に続く今年2回目のマイナス成長となりました。夏場に相次いだ自然災害で経済活動が停滞するなどの影響が出たと見られます。
ほとんどの需要項目が成長率に対してマイナス寄与でした。個人消費-0.3%、在庫投資-0.3%、輸出-1.3%が主なところです。いずれも、自然災害で道路、鉄道、空港など、物流インフラが寸断されたことで、幅広い範囲で経済活動が抑制されたためと見られます。輸入が減少(寄与度はプラス)したのも同様と見られます。
特殊要因とはいえ2度マイナス成長に見舞われたことから、18年は年間でも低成長を余儀なくされそうです。10-12月期に反動増が出ることを考慮しても、+1%を割り込む可能性があります。
金融政策正常化が遅れる影響は?
低成長のため、インフレ率は日銀が掲げる目標(+2%)を下回っています。原油高の影響などから、CPIは総合では+1%台ですが、基調的な傾向を示すコアコアは9月で+0.4%にとどまっています。
19年10月に消費税率引き上げが予定され、国内需要が押し下げられるなどの影響を考えると、インフレ率が持続的に上昇する公算は小さく、金融政策正常化は進みにくいと思われます。金融政策正常化の遅れは、長短金利を低位にとどめ、為替相場では円安要因になると考えられます。
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