10月の米国雇用統計~19年の金融政策への示唆
- 10月NFPは前月比+25.0万人と好調、失業率は3.7%と横ばいでした。就業率の上昇が続きます。
- 賃金が前年同月比+3.1%と再び+3%台に乗せ、年末に向けて好調な個人消費が示唆されます。
- 株価急落で利上げ限界論も出る様相でしたが、19年末まで3回0.75%の利上げが大勢となっています。
順調な雇用の増加が今後も続く見込み
2日、米労働省が発表した10月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+25.0万人でした。今年は何度か+20万人を下回っていますが、1-10月平均は+21.3万人で、順調に雇用の増加が続いています。
失業率は3.7%(前月比横ばい)でした。雇用環境の改善で、次々と求職活動に参入する人が増えていますが、逐次雇用され、低水準が続いています。なお、就業者数の生産年齢人口(16歳以上の人口)対比(就業率)は60%を超え、リーマンショック直後の09年始めの水準まで戻しています。しかし、過去最高は00年4月(ITブームの最高潮期)に記録した64.7%であり、まだ雇用増加の余地はあると見られます。新たな求職者が労働市場に参入してくるので、失業率は下がりにくくなりますが、一方で就業者数は増え続け、就業率が上昇する局面が、当面続くと見込まれます。
利上げ限界論は一時的?
民間企業時間当たり平均賃金(以下、賃金)は前年同月比+3.1%と、9月比0.3ポイント加速しました。8月に続く+3%台乗せで、年末に向けて好調な個人消費が示唆されます。全米小売業協会は、18年の年末商戦は前年比+4.3~4.8%と予想しています。17年実績(+5.3%)は下回るものの、過去5年平均(+3.9%)を上回るとしています。
10月半ばの株価急落で、一時は、利上げは限界との見方が出てくる様相でしたが、その後の市場の落ち着きと好調な賃金動向から、現在はそれ以前の見方に戻っています。すなわち、年内1回、19年は前半に2回の、計3回0.75%が大勢となっています。ちなみにアムンディでは、市場の混乱が激しさを増すなどの事態にならない限り、ほぼ同様の見方をしています。
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