メキシコ大統領・議会選挙について~今後の課題と市場への影響

2018/07/03 <>
  1. 大統領選挙は新興左派政党Morena率いるAMLO氏が、議会選挙はMorena陣営が勝利しました。
  2. 新政権は庶民に優しい政策の一方で、汚職撲滅や投資誘致などによって経済の活性化を目指します。
  3. イベント通過で、通貨ペソはひとまず落ち着くものの、今後の動きは対米外交や内政の成果次第です

新興左派勢力の地滑り的勝利

7月1日に実施されたメキシコの大統領選挙は、新興左派政党Morena(国民再生運動)を率いるアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(以下、AMLO)氏が約53%の得票で当選しました。また、同時に実施された議会選挙では、Morena陣営(緑の党、新同盟と連立)が上・下両院で定数の60%程度の議席を獲得したと見られます。新興勢力が、これまでの二大政党(PAN〔国民行動党〕・中道右派、PRI〔制度的革命党〕・中道左派)を抑え、地滑り的な勝利を収めました。

AMLO氏もしくは同氏が率いるMorenaが掲げる政策としては、年金給付増額、教育無償化といった、庶民に優しい政策(AMLO氏が左派ポピュリストと呼ばれる所以です)の一方、Pemex(メキシコ石油公社)に係るコスト削減(労働コストの見直し、内部汚職の一掃等)などが挙げられます。また、内外からの民間投資の誘致にも前向きです。外交ではNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉で圧力を掛けるトランプ米政権に対峙しながら、関係改善を模索する姿勢も示しています。

201807031

政策運営の巧拙がペソ相場にも影響か

ペソ相場は、6月21日の利上げなどにより、やや持ち直した後、選挙というイベントの通過で、相場は一旦落ち着くと見込まれます。ただし、今後は、新政権の政策運営の巧拙が、相場の居所に影響してくると思われます。米利上げで新興国通貨全般の環境が厳しい中、金融政策と共に、新政権の仕事始めが注目されます。

201807032

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会