ユーロ圏の6月景況感について

2018/06/26
  1. 6IFO指数は13ヵ月ぶり低水準。現況指数低下が引っ張り、実際の企業活動への影響が見られます。
  2. ユーロ圏PMIは、貿易摩擦が懸念される製造業の低下に対し、サービス業がけん引して反発しました。
  3. IFO期待指数、PMIから、センチメント悪化はひとまず一巡、景況感は下げ止まりの兆しがうかがえます

先行き不安の織り込みはひとまず一巡化

6月のユーロ圏景況感指標は全体的には引き続き弱い内容です。CESifoが発表したのドイツ企業景況感指数(IFO指数)は前月比-0.5の101.8と、13ヵ月ぶりの低水準となりました。内訳は現況指数が同-1.0、期待指数が同横ばいでした。4-6月期に入って、実際の企業活動が鈍化していることがうかがわれます。一方、先行き不安はひとまず織り込まれたと見られる動きです。

また、PMI(総合)は前月比+0.7の54.8と5ヵ月ぶりに上昇しました。製造業の同-0.5に対してサービス業が同+1.2でした(水準は双方とも55.0)。年初からの景気減速が実際の生産活動に影響してきたことや、貿易摩擦への警戒が製造業の景況感を押し下げる一方、雇用・所得環境が改善し、小売売上高が春以降持ち直しに転じるなど、個人消費の底堅さがうかがわれます。

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当面は小動き

ユーロ相場は、年初からの景気減速、対米金利差拡大などを背景に5月下旬にかけて下落しました。ただし、最近1ヵ月程度は、1ユーロ1.15~1.18ドルのレンジを上下しています。

ユーロ圏の景気は17年後半をピークに減速し始めたと見られます。しかし、実質GDP成長率は18年も+2%程度を維持し、景況感も年央以降は回復してくると見込んでいます。さすがにユーロ相場の上昇余地は大きくないものの、当面は小動きの展開を予想しています。

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