4月のISM景気について~景気減速の兆し?
2018/05/08
<投資信託>
- PMI、NMI共に前月比-2.0ポイントでした。企業の景況感は高水準を上下し、活動自体は活発です。
- 鉱工業生産が引き続き活発なほか、新規受注が底堅く、在庫環境も製造業は良好です。
- 景気減速の兆しを示すものではなく、良好な景況感の若干の調整で先行き不安は小さいと考えます。
先行き景気堅調を示唆
ISM(全米供給管理協会)は1日にPMI、3日にNMIの4月値を発表しました。PMIは前月比-2.0ポイントの57.3、NMIも同-2.0ポイントで56.8でした。双方、最近2、3ヵ月低下していますが、過去の景気拡大局面と比べても高い水準は変わっておらず、企業活動自体は活発です。 PMIの構成指数は、生産指数(NMIは活動指数)、雇用指数の低下が目立った一方、新規受注指数は小幅低下(PMI)と上昇(NMI)でした。足元の企業活動は、非常に強い勢いからやや調整されたものの、先行きの活動を示す新規受注指数が底堅く、先行き不安は小さいと考えます。鉱工業生産は、目先増勢が鈍る可能性はあるものの、すでに17年以前の伸び悩んだ時期から大きく水準が上がっています。また、製造業については納品指数(受注から納品の期間を示す。上昇→長期化、低下→短期化)は小幅上昇し、在庫環境は引き続き良好で、今後も生産活動が堅調を維持することが示唆されました。
米通商政策への不安心理はほぼ市場に織り込みか
なお、アトランタ連銀発表のGDP Now※で見ると、1-3月期の実質GDP成長率は、NMIまでを織り込んだ5月3日時点で+4.0%と、今後の推移パターンを考慮しても+2%以上の可能性は十分にあります。 米国の保護主義的とも取れる通商政策が景気先行き不安を引き起こし、世界的に資本市場が混乱しました。しかし、世界経済への影響は限定的で、不安はほぼ織り込まれ、市場は安定方向にあると考えます。
※各経済指標から経済成長率(前期比年率)を推計
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