ユーロ圏の4月物価・3月雇用情勢~金融政策、為替相場への示唆は?
2018/05/07
<投資信託>
- 4月HICPは前年同月比+1.2%、コアは同+0.7%と鈍化しました。目標を下回る低位が続きます。
- 一方、3月失業率は8.5%と前月比横ばいも、雇用情勢は依然良好でインフレ期待は変わりません。
- 金融政策正常化の方向は不変も、当面は慎重な運営から、ユーロ相場は目先もみ合うと考えます。
一時的な鈍化の可能性も
3日、Eurostat(EU統計局)が発表した4月のHICP(速報)は、総合が前年同月比+1.2%、コアが同+0.7%と3月(それぞれ同+1.3%、+1.0%)から鈍化しました。ECB(欧州中央銀行)が掲げる目標(+2%弱)を依然として下回る低位で推移しています。サービスが同+1.0%と3月の同+1.5%から大きく鈍化したことが影響しました。ただし、サービスには、旅行費など変動の大きな品目があるため、一時的な可能性があり、コアは+1.0%近傍が実態と見られます。
また、2日に発表された3月の失業率は8.5%と前月比横ばい、失業者数は前月比-8.3万人でした。ドイツが3.4%と、東西統一後最低を更新しました。雇用環境は依然改善が続いていると見られ、中期的なインフレ率上昇への期待は大きく変わらないと見られます。
慎重な政策運営堅持ならむしろユーロに追い風
ユーロ相場は、1-3月期が景気減速気味なこと受け、年初辺りにあった上昇の勢いが落ちています。米ドルがここにきて持ち直していることも影響していると見られます。
金融政策正常化の方向性は不変も、ユーロ相場は当面もみ合う展開と考えます。ただし、金融政策の運営が景気実態に応じた慎重さを保てば、むしろユーロに追い風と考えます。
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