英国の18年1-3月期GDP速報~金融政策、為替相場への影響は?

2018/05/01 <>
  1. 実質GDPは前期比年率+0.4%と大幅減速でした。建設業の不振、サービス業の減速が影響しました。
  2. オフィス、住宅需要が、EU離脱後の景気減速に対する懸念から落ち込んでいることが目立ちます。
  3. 英ポンド相場は、利上げ期待の後退などから持ち直しが一巡、方向感のない展開が想定されます

ポンド安メリットの喪失で先行き景気不安再燃?

27日、ONS(英国家統計局)が発表した18年1-3月期の実質GDP(速報)は、前期比年率+0.4%でした。+1%を割り込んだのは2年ぶりで、景気減速が鮮明でした。業種別の実質GDPによると、建設業が前期比年率-12.4%と大幅に減少したほか、サービス業が同+1.0%と前期(17年10-12月期)の同+1.7%から減速、製造業も同じく、+5.2%から+0.9%へ減速しました。

Brexit(英国のEU(欧州連合)離脱)に関する交渉が進捗しているとはいえ、離脱後の英国経済に対する市場の不安は根強く、オフィスや住宅の賃料が伸び悩んでいます。また、ポンド高によって海外からの投資採算の悪化も加わり、内外企業からの投資資金流入を鈍らせていることが、建設業の不振につながったと見られます。サービス業、製造業の減速は個人消費の伸び悩みのほか、ポンド高による輸出競争力の減退も影響したと見られます。

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持ち直し一巡で方向感ない展開へ

これまで、Brexit選択後の急激なポンド安で景気が好転したため、ポンドは下げ過ぎの調整で持ち直しに転じ、1月にはBrexit選択時の相場水準を回復しました。これは対ドルでも対円でも、ほぼ同様です。

ポンド安の景気押し上げ効果が失われ、改めてBrexit後の英国経済に対する不安が再燃することは、ポンド安要因です。イングランド銀行(BOE、英中銀)は、インフレ率上昇を理由に、年1回程度の利上げを想定していますが、経済成長の大幅鈍化で、市場の利上げ期待が後退することもポンド安要因です。しかし、ポンド安の景気に対するプラス効果もあることから、当面は上へも下へも行きにくい、方向感のない展開になることが想定されます。

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