ブラジル、利下げ打ち止めへ

2018/02/08
  1. 政策金利は0.25%下げの6.75%となりました。低インフレから小幅な利下げが適当と判断されました。
  2. 中銀は、現在のインフレ見通しでは利下げ打ち止めが適切で、今後の景気動向を注視するとしています。
  3. 利下げ打ち止めで、通貨レアルは景気、政治動向に影響され、材料交錯でもみ合う展開となりそうです

インフレ底打ちも上昇は緩やか

ブラジル中央銀行(以下、中銀)は6-7日にCopomを開き、政策金利のSELIC金利を0.25%引き下げ6.75%としました(全会一致)。利下げは16年10月の会合以来11回連続です。インフレ率が、目標(+4.5±1.5%)圏内ながらも低位で推移しており、追加利下げが適正と判断されました。

12月CPIは前年同月比+2.95%と、8月を底に緩やかに上昇していますが、コア(推定、食品・エネルギー除く)は同+3.59%と、17年で最低で、低インフレが続いています。中銀が実施しているサーベイでは、CPIは18年末で同+3.95%、19年末で同+4.25%と、インフレ目標圏内で推移すると予想されています。このことから、中銀は、次回の会合以降は追加金融緩和を見送り、景気動向を注視していくことが適切と判断しました。利下げは今回の会合で打ち止めとなりそうです。

※Copom(Comitê de Política Monetária):金融政策委員会
◇SELIC(Sistema Especial de Liquidação e Custódia):決済・預託特別システム

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レアル相場は好悪両材料が交錯

金融政策が様子見局面に入ると、レアル相場は、実体経済の動きや政治動向等の影響を受けながらの展開になっていくと思われます。17年は、利下げのメドが意識されると共に、不安定な政局から改革の実現性が不安視され、上昇が抑えられました。

財政再建の目玉とされる年金改革法は、早期の採決が困難となっており、レアルにとって逆風です。ただし、景気後退で悪化した財政収支は、景気底打ちで改善しており(17年の公共部門収支は対名目GDP比-7.8%。16年の同-9.0%から改善)、景気回復の持続がレアルを後押しすると思われます。また、政治面では、ルラ元大統領の大統領選挙立候補が難しくなって混戦模様と、好悪両材料が交錯しており、レアルは神経質にもみ合う展開となりそうです。

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