様子見続く豪金融政策~豪ドル上昇の条件は?
- 政策金利は1.5%で据え置きでした。16年8月の利下げを最後に様子見が続いています。
- やや弱かった個人消費が昨年末にかけて強含んだことから、RBAの景気見通しはやや楽観的です。
- 低金利の景気刺激が奏功し、インフレ期待が高まるならば、豪ドルには追い風になると期待されます。
低金利維持で景気浮揚へ
本日、RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)が定例理事会を開き、政策金利であるキャッシュレートを1.5%で据え置きました。16年8月の利下げ以来の据え置きが続いています。
国内景気は、17年後半から民間の固定資本投資が底打ちし、鉱業投資依存経済からの脱却が進み、底堅さが増してきました。これに加え、17年末にかけて個人消費が強含み、先行きに対して明るい兆候が見られます。小売売上高が、17年7-9月期は前期比-0.2%でしたが、10-12月期は同+1.3%でした。RBAは、現行の低金利が景気を支援すると見ており、年内にもインフレ率は目標(+2~3%)圏内へ、実質GDP成長率は17年見通しの+2%台前半から、18年は+3%程度へ上昇すると予想しています。
金利上昇期待で豪ドルに追い風も
17年の豪ドル相場は、おおむね、対米ドルでは1豪ドル0.72~0.80米ドル、対円では82~90円で、特段の方向性なく推移してきました。ただし、17年末にかけては連動性の高い商品市況の上昇や、景況感の改善が追い風となり、強含みでした。
当面、金融政策変更の可能性は低く、豪ドル相場は外部要因の影響を受けやすいと思われます。商品市況は、米金利の上昇期待が強まる中で足元伸び悩んでおり、豪ドルにとってマイナスですが、米ドルは不安定な状況が続いており、こちらは豪ドルに対してプラスに働くため、現時点では、豪ドルは方向感のない展開が続くと見込まれます。RBAの見通しどおり、低金利が景気を刺激し、CPIが+2%台を回復する局面となるならば、年後半にも金利上昇期待から、豪ドル相場に追い風が吹くのではないかと期待されます。
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