インドネシア経済の現状と市場展望~17年10-12月期GDPより

2018/02/06 <>
  1. 実質GDP成長率は前年同期比+5.19%でした。+5%台の安定した成長が続いています。
  2. 安定成長の下で投資活動が活発化し、当面は+5%台の成長ペースが維持されると予想されています。
  3. 米国市場の混乱の影響は免れないものの、投資環境は良好で、次第に収束すると期待されます

内需、外需共に堅調で安定成長続く

5日、インドネシア中央統計局が発表した17年10-12月期の実質GDPは、前年同期比+5.19%でした。+5%台の安定した成長が続き、最近4年間では最高の成長率でした。

内訳が一部未発表なので、内需と外需の寄与度を推計すると、外需(純輸出、輸出-輸入)は黒字幅減少でマイナス寄与となり、今回は内需主導がより強まったことが分かります。特に、固定資本投資が前年同期比+7.27%と高水準でした。公共投資に加え、安定成長を好感した企業の設備投資も好調であったと見られます。インドネシア銀行(中央銀行)は、18年の実質GDP成長率を+5.1~5.5%と予想しています。これは、IMF(国際通貨基金)予想の+5.3%とほぼ同様で、+5%台の成長ペースが当面維持されるとの見方です。

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市場の波乱は次第に収束か

インフレ率は、中央銀行、IMF共に、当分はインフレ目標(+4±1%)の範囲内で推移すると予想されています。政策金利は現状の4.25%でしばらく据え置かれると見込まれ、良好な投資環境は変わっていないと思われます。

なお、米長期金利上昇、株安を受け、5日以降の新興国は通貨安、株安に見舞われています。これは、FRB(米連邦準備理事会)議長の交代時期で、良好な雇用統計をきっかけに金融政策の先行き不透明感が増したことが背景にあると見られます。また、これまでリスク選好が行き過ぎていた部分の調整もあると見られ、今後はならされながら、新興国市場の波乱も次第に収束していくと思われます。

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