メキシコの17年10-12月期GDP速報~物価、金利、ペソの展望

2018/01/31
  1. 実質GDPは前期比+1.0%でした。震災に伴う経済活動の停滞は一時的で景気は回復に転じました。
  2. 震災の反動に加え、市場金利の低下も期待され、メキシコ経済は回復基調が強まると予想されます。
  3. 利上げは打ち止めとなる公算が大きく、投資資金流入期待がペソにとって追い風になると思われます

インフレの落ち着きが景気にプラス

30日、INEGI(メキシコ国立統計地理情報院)が発表した17年10-12月期実質GDP(速報)は、前期比+1.0%、前年同期比+1.8%でした。震災の影響で落ち込んだ7-9月期から、早くも回復に転じました。

速報なので詳細は未発表ですが、7-9月期で落ち込んだ個人消費が回復に転じたほか、震災で一時滞った輸出が年末にかけて回復し、貿易収支が大きく改善したことが、プラス成長に転じた要因と見られます。17年の実質GDP成長率は前年比+2.1%と、16年の同+2.9%から減速しましたが、IMF(国際通貨基金)では、18、19年は加速すると予想されています。震災の反動に加え、インフレ率の低下によってインフレ抑制優先の現在の金融政策スタンスの軟化が見込まれます。この場合、市場金利の低下が景気にプラスに働くと思われます。

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利上げスタンス一巡で投資資金流入か

CPIは12月時点で前年同月比+6.77%ですが、17年1月のガソリン値上げの効果が18年1月で剥落し、少なくとも+5%台へ鈍化しそうです。それでも、インフレ目標の上限(+4%)を上回るため、早期利下げの可能性は低いものの、これまでの景気減速の影響で、インフレ率はその後も低下する公算が大きいと思われます。

したがって、利上げは一巡し、金利低下観測から、海外から投資資金が流入すると期待されます。これは、通貨ペソには追い風になると思われます。懸案の米国との貿易交渉は、決裂は予想しにくく、ペソ安要因としてはほぼ織り込まれたと思われます。

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