ユーロ圏の1月景況感について~堅調な景気の行方は?
2018/01/26
<投資信託>
- 1月のIFO指数は前月比+0.4ポイントで過去最高です。ユーロ高の影響か、期待指数は低下しました。
- その他の指標も堅調です。ただし、期待指標の上昇が小さかったほか、投資家の評価がやや慎重です。
- ECBの慎重な金融政策運営の下、ユーロ圏の景気は当面堅調と見込まれ、ユーロを下支えしそうです。
企業の景況感中心に堅調
1月のユーロ圏景況感指標は引き続き堅調でした。独調査機関CESIfoが発表したドイツ企業景況感指数(IFO指数)は、前月比+0.4ポイントの117.6と、2カ月前の過去最高値に並びました。現況指数の同+2.2ポイントに対し、期待指数は同-1.0ポイントと両者で明暗が分かれました。最近のユーロ高傾向で、輸出の観点から先行き懸念がやや強まったと見られます。
その他の景況感指標も堅調でした。PMI(総合)は前月比+0.5ポイントの58.6と、06年6月(60.4)以来の高水準となりました。一方、ZEW指数◇、センティックス指数☆共に前月比上昇しましたが、その度合いは小さかったようです。前者は期待指標のほか、双方とも市場関係者が調査対象の指標です。ユーロ圏の想定以上に強い景気に対し、警戒感を持つ向きも出てきたように思われます。
逆説的なユーロ高?
ユーロ相場は足元、対ドル、対円共に堅調です。1ユーロ1.24ドル台は約3年ぶり、135円超えは約2年ぶりです。
25日に開かれたECB(欧州中央銀行)の理事会では、インフレ目標達成への確信を強めた割に、金融政策の正常化には慎重な姿勢が見られました。現在の政策は、マイナス金利など依然として景気刺激的な内容のため、結果として堅調な景気が当分続き、ユーロを下支える方向に働くのではないかと思われます。
◇ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出
☆センティックス経済信頼感指数(本文では「指数」に省略):ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
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