ECB理事会について~引き締め転換はいつ頃?

2017/12/15
  1. 政策金利、資産購入プログラムなど一連の金融政策手段は据え置かれました。
  2. 依然としてインフレ率は目標を下回るものの、ECBでは下振れリスクは後退してきたという認識です。
  3. 利上げは先行き1年はないと見込まれますが、景気の腰の強さがユーロにとって追い風です。

ハト派的なスタンスは変化なし

ECB(欧州中央銀行)は14日、定例理事会を開きました。レポ金利などの政策金利、資産購入プログラム(APP)など、一連の金融政策手段は据え置かれました。

声明文では、経済情勢次第ではAPPの延長や増額が有り得るとしており、従来からの姿勢は変更ないということが示されました。また、政策金利については、現在予定されている量的金融緩和の実施期間を超えて現行水準を維持する方針であり、ハト派的(緩和縮小に慎重)な姿勢は変わりありません。アムンディでも、少なくとも先行き1年は現行水準を維持すると予想しています。

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19年に利上げ?

今回は、ECBスタッフによる景気・物価見通し(3、6、9、12月発表)が発表されました。実質GDP成長率が全般的に上方修正された一方、インフレ率は18年が下方修正されました。堅調な景気の一方、インフレ率の上昇は遅れるとの見方が示され、理事会のハト派的な姿勢につながったと見られます。ただし、19、20年でインフレ率の緩やかな上昇が見込まれており、ECBとしてはインフレ率の下振れリスクは後退してきたと認識していると思われ、19年の利上げが示唆されています。

ユーロ相場は最近はもみ合いで推移していますが、本格的な金利上昇を予想しにくいのに対し、景気刺激的な政策姿勢が続くことから、堅調な景気がユーロにとって追い風になると思われます。

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