英中銀の金融政策と今後のポンド相場展望
2017/08/04
<投資信託>
- 2-3日のMPCでは政策金利、APPともに現行で据え置かれ、インフレ率上昇も緩和を維持しました。
- 見通しは、物価が変わらなかった一方、政策金利が上方修正され、その分景気が下方修正されました。
- インフレ率は今後ピークアウトが予想され英ポンドにプラスですが、EU離脱の不透明感が重しです。
据え置きも先行き利上げには前向きに
イングランド銀行(英中銀、以下、BOE)は、2-3日にMPC(金融政策委員会)を開きました。現行の政策金利(0.25%)と、APP(資産購入プログラム、国債4350億ポンド、社債100億ポンド)は据え置かれました。
今回は同日、四半期インフレ・レポートが発表されました。物価見通しは今後緩やかに鈍化する方向と、5月の前回レポートと大きく変わっていません。一方、政策金利は上方修正され、前回は早くて19年前半だったものが、1年前倒しされ、18年前半にも利上げされるとの見通しです。これに対して、実質GDP成長率は全般的に小幅下方修正されました。形の上では、物価見通しが変わらない一方で、利上げにはより前向きになったと見ることもでき、その分景気が下押しされた面もあると思われます。
依然方向性は見出しにくい
会合の結果を受け、為替市場で英ポンドは下落しました。政策金利見通しの上方修正よりも、成長率見通しの下方修正の方が、ポンド安に効いたと見られます。ただし、動きは限定的です。インフレ率については、これまでのポンド安の押し上げ効果が剥落しつつあり、先行きピークアウトすると見込まれ、ポンドにとっては下支え要因です。一方、EU〔欧州連合〕離脱交渉の行方が不透明なことは常に上昇を抑えると考えられ、方向感が見出しにくい展開が続くと思われます。
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