7月のISM景気指数について~米国景気の方向性に変化は?

2017/08/04
  1. PMINMI共に低下しました。特にNMIが大きく低下し、景気に楽観的な見方がやや後退した形です。
  2. 景気拡張のすそ野の広さや、他の景況感指標を合わせて見ると、一時的な動きの可能性もあります。
  3. 7-9月期は前期並みの、年率+2%台の成長ペースが続く公算が、現時点では大きいと思われます。

活動ペースやや落ちるが、一時的な可能性も

ISM(全米供給管理協会)は1日、7月のPMIを発表しました。前月比-1.5ポイントの56.3、3日に発表した7月のNMIは同-3.5ポイントの53.9と、共に低下しました。特に、NMIの低下幅が大きく、約85%を非製造業が占める米国企業にあって、先行き楽観的な見方がやや後退したと見られます。

構成指数を見ると、製造業は在庫指数以外はすべて低下、生産指数と新規受注指数の低下が特に大きく、在庫指数のみが上昇しました。6月と真逆の動きです。また、非製造業は構成指数すべてが低下しました。ただし、業種別の業況判断は全36業種中31業種が拡張で、6月の32業種からは1業種減少したのみです。また、英調査会社IHS Markitが発表した製造業、サービス業のPMIでは、それぞれ小幅上昇、横ばいとなっています。これらを総合すると、今回の結果は一時的な可能性もあり、これを持って景気が変調を来したとは言い切れません。

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7-9月期も年率+2%台の成長か

7-9月期の実質GDP成長率について、PMI、NMIとの相関関係や、製造業、非製造業の付加価値生産額の対GDP比から試算すると、年率+2.3%と試算されました。

一方、アトランタ連銀が発表するGDP Now(各経済指標から経済成長率〔前期比年率〕を試算)は、8月3日時点で+4.0%と高水準です。しかし、同連銀によると、在庫投資が1.1ポイントのプラス寄与となっており、ある程度割り引いて見る必要があると思われます。在庫投資を除くと+2.9%であり、上記の+2.3%と総合すると、7-9月期も+2%台が続く公算が、現時点では大きいのではないかと思われます。

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