インド、低インフレ受け利下げ~為替、株価への影響は?
2017/08/03
<投資信託>
- 政策金利は6.0%へ0.25%引き下げられました。低インフレで利下げ余地が出たことに対応しました。
- インフレ、景気見通しは変わらず、政策スタンスは中立です。追加利下げの可能性は低いと思われます。
- 株価、通貨ルピーは、低インフレ・高成長のトレンドの下で、今後も底堅く推移すると期待されます。
足元の状況に対応
RBI(インド準備銀行)は1-2日、MPC(金融政策委員会)を開催、政策金利であるレポレートを6.25%から6.0%へ引き下げました。利下げは16年10月以来のことです。
利下げの理由としてRBIは、インフレ率の低下を挙げています。6月のCPIは前年同月比+1.5%と、90年代以降で初めて+2%を割り込みました。気候が良好で農業生産が好調、食料が同-1.2%となった影響が大きく、一時的とも見られますが、コア(推計)も同+3.8%と低く、足元の状況に対応したと見られます。RBIは年後半のCPIについて、農産物価格下落の影響が一巡し、+4%内外に戻ると見ており、金融政策スタンスは中立としています。
また、1-3月期の実質GDP成長率が前年同期比+6.1%と、9四半期ぶりに+6%台に鈍化したことも影響したと見られます。ただし、これは年次修正で前年同期が上方修正され、発射台が高くなった影響が大きく、RBIは、年末に向けて+7%台の成長ペースを取り戻すと予想しています。
改革の成果に対する期待根強い
ルピーは堅調です。利下げを受けて金利低下期待が強まり、15年7月以来の1ドル63ルピー台に上昇しました。また、代表的株価指数のセンセックス指数は32,000ポイント台と、史上最高値近辺で推移しています。
7月からGST(物品・サービス税)が導入され、間接税体系が統一されました。経済活動が促進されるとの期待が高く、改革進展が評価されてモディ政権の支持率も70%台と高水準です。改革の成果の顕在化に加え、利下げによる景気刺激効果も期待でき、今後もルピー、株価とも堅調な推移が期待されます。
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