GCC経営™分析レポート:THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(東証スタンダード 証券コード:3823)
大規模M&A+調整後EBITDA黒字転換確認。株価+34%市場が再評価
長期展望+四半期レビュー
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修
1.長期展望:「DNAファーストM&A」を成⾧エンジンに、多角化コングロマリットの企業価値創造に挑む=新規大型M&Aで加速
本レポートは2026年3月30日に発行したレポートのアップデート版である。第二四半期において調整後EBITDAが黒字転換し、大型M&Aが発表。その企業価値への影響を推計する。THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(以下「ワイハウ」)は、「DNAファーストM&A」を成⾧戦略の中核に据え、事業承継に悩む中小企業を永続的に保有・支援する東証スタンダード上場企業である。同社が掲げる「第3の道」は、買収先の独立性を維持しながら永続保有する独自モデルであり、亀田信吾社⾧は「色を付けない」経営哲学——親会社の事業スタイルを押し付けず創業者の想いと雇用を尊重する——が競合入札での差別化要因であると説明している。なお、同社は決算期変更(8月期→4月期)を実施し、第22期は2025年9月1日~2026年4月30日の8ヶ月変則決算となる。M&Aを主軸とする企業の実力は調整後EBITDAに表れる。スティルアン社は修正EBITDA約118百万円(マージン約8.3%)、グッドマン社は修正EBITDA約60百万円(同約14.5%)、飯山土建株式会社(⾧野県飯山市、土木工事業)は修正EBITDA95百万円・ネットキャッシュ726百万円の無借金経営であり、自社施工率約90%・営業利益率約20%の高収益企業である。加えてM&A第4号案件として株式会社コーウェル(東京都豊島区、LED照明器具の企画・販売・レンタル)の全株式取得について開示が本日4月16日(執筆時点)になされた。コーウェルは香港子会社を通じた中国製造→日本販売・施工の垂直統合モデルにより粗利率約50%を実現し、売上高19.24億円・営業利益3.62億円・修正EBITDA約3.90億円と買収4社中最大の収益エンジンである。ホールセールス・直販・レンタルの3チャネル構造を持ちストック型キャッシュフローも有する。コーウェルの加入によりグループは子会社11社体制、売上高約43億円・修正EBITDA約6.6億円規模に拡大したと推計され(注1)、中計目標(FY2028.4期:売上高100億円・調整後EBITDA10億円)に対するEBITDA進捗率は66.4%に到達した。JPRでは10年後の営業利益率は11%程度に向上しM&Aに伴うのれん償却負担が相対的に小さくなる構造を見込む。なお、本レポートに記載する業績予想および株価分析はJPRが独自に推計したものであり、会社側の予想・見解とは異なる場合がある。
2.四半期展望:コーウェルが連結されたことにより創業以来の最高売上高の更新と、 調整後EBITDAの黒字転換を同時達成
FY2026.4期2Q累計(2025年9月~2026年2月)の連結業績は、売上高1,699百万円(前年同期比110.0%増)、営業損失△182百万円、経常損失△473百万円、親会社株主帰属中間純損失△539百万円となった。売上高倍増の主因はスティルアン社(ブライダル事業)及びグッドマン社(測定機・探査機事業)の新規連結による通期寄与である。報告ベースの営業損失にはM&A関連費用139百万円や貸倒引当金繰入267百万円の計406百万円等の一過性費用が含まれるため本業の稼ぐ力を正しく反映しておらず、これらを除いた調整後EBITDAは276百万円と黒字を確保した。保守的に M&A 関連費用のみを除外した狭義の調整後EBITDA でも +8 百万円の黒字となり、いずれの基準でも2Q 累計での黒字転換が確認された。コーウェルの連結開始後は同社の売上高19.24億円が加わることで売上は大きく拡大する見通しである。営業利益だけでなくEBITDAの拡大に注目していくことが今後の四半期決算の開示において重要な視点となろう。また弊社の予想では2027年4月期は3億円程度の営業利益黒字になると考えている。すべての利益で黒字転換がするかが注目されよう。
3.M&A成⾧戦略の実行力検証が進展、大幅なリスク減少による資本コストの低下による株価増大が期待
同社株式は52週高値189円・安値27円で推移、4月17日にコーウェルM&A等を契機に55円(+34%)・出来高86百万株(前日比23倍)へ急伸した。時価総額72億円はJPR試算の株主価値513億円(391円)の14%に過ぎず7.1倍のアップサイドが残存する。第16回新株予約権は56.4%行使済みで希薄化リスクは縮小。注目すべきはROICWACCスプレッドの構造変化である。コーウェル連結でROICが急拡大しキャッシュリッチな買収先加入でWACCも低下、1-2年でスプレッドが赤字→黒字へ転換する局面は投資妙味が最も大きい。ネットキャッシュ企業中心のため資金枯渇リスクが構造的に低くM&A実行のたびにファイナンス力が増大する好循環が生まれている。機関投資家の投資対象入りの目安である時価総額100億円が視野に入り次元の異なるステージに移行し得る。リスク要因は①売却圧力②M&A費用③PMI④サンライズ社⑤組織文化調整。34%上昇と出来高23倍はM&Aモデルの認知が格段に高まった証左であり⾧期アップサイドが2-3年で織り込まれる蓋然性が高いと判断、前回の4倍から7倍に引き上げる。株主価値予測モデル(注4)では株主価値513億円・理論株価391円・ギャップ441億円を算出。ワラント売却圧力吸収にはM&A案件の連続公表が不可欠であり巻末子会社社⾧対談が示すDNAファーストM&Aの実効性が投資家の確信度を高めるうえで決定的な判断材料となる。
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