トルコの金融政策~景況感改善のなか為替相場は?
2017/07/28
<投資信託>
- 政策金利をすべて据え置きました。インフレ率は頭打ちの様相ですが、依然引き締めスタンスです。
- 景気は着実に改善し、景況感は上向きです。欧州、ロシア経済の改善も影響している面があります。
- インフレ率低下が進めば、市場金利高め誘導の緩和も期待され、リラには追い風になると期待されます。
引き続き高いインフレ率を警戒
トルコ中央銀行(以下、中銀)は27日の金融政策委員会で、政策金利のレポ金利、上・下限金利を据え置きました。LLW金利(Late Liquidity Window Interest Rate:締め後の資金供給への適用金利)も据え置き、翌日物金利は12%台が続いています。
6月のCPIは、前年同月比+10.9%と4カ月ぶりに11%を割り込みました。食料価格高騰が一巡したほか、原油価格の落ち着きで運輸サービスも上昇が鈍化しました。ただし、中期的なインフレ目標(+5±2%)を大幅に上回る状況は変わりなく、中銀は引き続き引き締めスタンスを続けるとしています。
広範な欧州の景気回復も影響
トルコ経済は16年後半以降明るさを取り戻し、消費者、企業の景況感指標は改善しています。これは、経済関係が強い欧州、ロシア経済と無関係ではありません。EU(欧州連合)諸国向け輸出は全体の48%を占め(16年)、ロシアは16年の外国人入国者減少数のうち最大の26%を占めました。両地域とも17年は景気が好調で、今後もトルコ経済を一部けん引すると期待されます。
また、インフレ率のピークアウトが進めば、市場金利の高め誘導が緩和される可能性もあり、景気先行き期待の高まりと、金利低下観測に伴う投資資金の流入が期待され、通貨リラにとって追い風になると思われます。
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