5月のISM景気指数と足元の景気について(米国)

2017/06/06
  1. PMI上昇、NMI低下ですが、いずれも小幅で高水準が維持され、企業活動の活発さが示されました。
  2. 構成指標は、一部が大きく上昇、低下しましたが、上下に振れたものがさや寄せしただけです。
  3. ISM景気指数からは年率+3%台の成長が示唆されており、通年で+2%以上の成長も十分可能です。

景気拡大期における平均水準を依然上回る

ISM(全米供給管理協会)は、1日にPMIを、5日にNMIの5月分を発表しました。PMIは前月比+0.1ポイントの54.9、NMIは同-0.6ポイントの56.9でした。動きはいずれも小幅で、90年代以降の景気拡大期における平均値(PMI:53.0、NMI:55.2)を、依然として上回っています。企業活動の活発さが改めて示された形です。

構成指数の動きを見ると、PMIは各指数でまちまちの動き、NMIは新規受注指数の低下と雇用指数の上昇が目立ちました。NMIの新規受注指数は、今回の景気拡大期(09年7月~)で最高となった前回4月(63.2)からの反落でした。また、NMIの雇用指数は、低めの水準であった3、4月(それぞれ51.6、51.4)からの急反発で、15年10月以来1年7カ月ぶりの高水準(57.8)でした。どちらも、上下に振れた状態が、NMIにさや寄せしただけであり、傾向的な悪化、改善を示すものではないと見られます。

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通年+2%以上の成長は十分可能な状態

ところで、アトランタ連銀が発表しているGDPNow(各経済指標から経済成長率〔前期比年率〕を試算)は、6月2日時点で+3.4%となっています。

これに対して、ISMによると、今回のPMIは年率+3.7%、NMIは同+3.1%の成長ペースであり、企業活動は米国景気の拡大継続に十分貢献しており、経済全般の流れとも整合していることが分かります。1-3月期は低成長となりましたが、4-6月期が年率+3%程度の成長となれば、通年で+2%以上の成長は十分可能であると考えられます。

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