FOMC~6月利上げ、ほぼ織り込みへ
- FF金利誘導水準は0.75-1.0%で据え置かれました。景気判断は前回会合より若干前進しました。
- 次回6月の会合で0.25%利上げが実施されることが、市場ではほぼ完全に織り込まれました。
- 市場コンセンサスは依然年3回利上げです。年4回の利上げの可否は賃金の伸び次第でしょう。
設備投資、インフレを実態に即し判断前進
5月2-3日、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれ、政策金利であるFF金利の誘導水準(0.75-1.0%)、および資産購入方針をいずれも据え置きました。
委員会終了後に発表された声明文では、足元の景気に対する認識が若干前進しました。すなわち、設備投資については、前回会合(3月14-15日)での「幾分、堅調さが見られ始めている」が、今回は「堅調である」に、インフレについては同じく、「目標に近付きつつある」が、「目標近くで推移している」と表現が変わりました。17年1-3月期の実質設備投資は前期比年率+9.4%と、13年10-12月期以来の高い伸び、一方、3月のPCE価格指数は2月と比べて鈍化し、前年同月比+1.8%でしたが、1-3月期平均では前年同期比+2.0%と目標に到達しています。
伸び切らない賃金に年3回のコンセンサス変わらず
FOMCの結果を受け、市場では次回会合(6月13-14日)で利上げされる確率が急上昇しました。FF金利先物価格から算出した、次回会合で0.25%、FF金利誘導水準が引き上げられる確率は、5月5日時点で98.8%と、利上げをほぼ完全に織り込んだ形です。よほど弱い経済指標が出ない限り、利上げが実施される公算大です。
その後については、9月、12月のいずれかで1.25-1.5%となる確率が87.6%と高い一方、9、12月連続で0.25%引き上げられ、1.5-1.75%で年末を迎える確率は11.4%と小さく、まだ市場のコンセンサスは年3回の利上げです。連続利上げ(年4回)の可否は賃金の伸び次第と思われます。具体的には、民間企業の時間当たり賃金が、早期に前年同月比+3%を超えてくること(4月は同+2.5%)が条件になると思われます。
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