トルコ金融政策、インフレ圧力抑制続く~経済は安定の兆候
2017/04/27
<投資信託>
- 政策金利のレポ金利、上・下限金利すべてを据え置きましたが、市場金利の高め誘導を強化しました。
- 欧州の景気回復が輸出を押し上げ、外国人観光客も戻りつつあり、雇用環境が改善しています。
- 政治の不透明感一巡、景気改善の兆候を受け、通貨リラは割安感も手伝い底堅さを増しそうです。
政権への配慮で政策金利と市場金利が大幅かい離
トルコ中央銀行(以下、中銀)は26日の金融政策委員会で、政策金利のレポ金利ほか、上・下限金利も据え置きました。ただし、LLW金利(Late Liquidity Window Interest Rate:中銀と金融機関の取引終了後の緊急的な資金供給に適用する金利)を11.75%から12.25%へ引き上げました。市場金利は12%前後で推移しています。
中銀は、金融緩和圧力をかけるエルドアン大統領に、政策金利据え置きで配慮しつつ、市場金利の高め誘導で、高止まりするインフレを抑制する姿勢を強化した形です。3月のCPIは前年同月比+11.29%と、約5年ぶりに+11%台へ上昇しました。
リラ高→インフレ緩和→引き締め姿勢後退→景気回復→リラ高の好循環へ?
4月16日の国民投票で、大統領の権限強化を柱とした憲法改正案が承認され、政治的な不透明感がひとまず一巡しました。また、経済にも改善の兆候が見られます。欧州の景気回復を受け、輸出の伸びが単月の振れをならせば増加傾向になってきたほか、一時遠のいていた外国人観光客も戻りつつあります。これを受けて雇用環境が最悪期を脱する兆しが見られます。
リラは、対ドルで徐々に水準を切り上げています。政治的な不安定さが嫌われて売り込まれていただけに割安感も強く、まだ戻り余地がありそうです。リラが戻ればインフレ圧力が後退し、中銀の引き締め姿勢も和らぎ、景気に追い風となるプラスの循環がトルコに戻る気配が感じられます。
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