ユーロ圏の4月景況感~今後のユーロ相場の展望
2017/04/25
<投資信託>
- 4月のIFO独企業景況感指数は前月比+0.5ポイント、他のユーロ圏の景況感指標も良好です。
- 良好な在庫環境を背景に、製造業の業況拡大余地が大きいと見られ、景気全般を押し上げそうです。
- 順調な景気回復は、金融緩和縮小観測など金利上昇気運を高め、ユーロには追い風になりそうです。
好循環を背景としたユーロ圏の景気回復
24日、独IFO研究所が発表した4月の独企業景況感指数は、前月比+0.5ポイントの112.9でした。循環的な在庫環境の良好さを背景に、製造業の業況は拡大余地が大きいと見られます。今回は、製造業指数は前月比-0.4ポイントと小幅低下しましたがプラス幅が大きく、一方、小売業が同+6.7ポイントと大幅上昇し、景気拡大の好循環が見られました。
ユーロ圏の鉱工業信頼感指数(EU統計局発表)の受注指数と在庫指数の対前年同月差を組み合わせると、製造業の業況を測ることができます(下右図参照)。3月は、受注指数が+7.9ポイント、在庫指数が-1.8ポイントです。これは、受注を満たすために在庫を取り崩すだけでなく、生産を増加させる必要が出てきます。受注と在庫両指数の位置関係と、世界的な景気持ち直し傾向を合わせて見ると、この傾向は当面継続し、ユーロ圏の景気回復に資すると期待されます。
欧州の政治的安定への期待も下支え
ユーロ圏の良好な景気は、ユーロ相場にとってプラスと考えられます。マイナス金利や量的緩和といった現行の金融緩和が縮小されるという期待から、金利上昇気運が高まるためです。
また、4月23日のフランス大統領選挙第1回投票で中道・親EUのマクロン氏が決選投票に進むことが決まり、政治的安定への期待も加わり、ユーロ相場は下支えられると思われます。
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