南アフリカの金融政策とランド相場の展望
2017/03/31
<投資信託>
- 南ア準備銀行(SARB)は3月28~30日の金融政策委員会で、政策金利を7.0%に据え置きました。
- 物価見通しの改善が背景にありますが、市場信任厚いゴーダン財務相更迭で、ランドは急落しています。
- 当面は神経質な展開が続くものの、政局の方向性が示されれば、ランド底打ちの可能性も考えられます。
利上げ局面終焉も、政治的リスクが再燃
SARBは3月28~30日の金融政策委員会で、政策金利を7.0%に据え置くことを決定しました。物価見通しの改善が背景にありますが、今回は全会一致ではなく、委員6名中1名が、0.25%の利下げを主張しました。
ここ数カ月の通貨ランドの堅調な相場を理由に、中銀は物価見通しを下方修正し、17年4-6月期(前年同期比+5.8%)にはインフレ目標(+3~6%)圏内への収束を予想、前回の想定より2四半期早い到達としています。ランド高の背景には、世界的な需要回復で好調な商品市況や、経常収支改善により資本流出懸念が和らいだことが挙げられます。一方で、中銀はここ最近の政局不安がランド相場の下落につながり、通貨安によって再度物価上昇圧力が高まるリスクを問題視しています。実際、31日午前0時過ぎにズマ大統領は声明で、内閣改造に伴い、市場信任の厚いゴーダン財務相を更迭し、後任にギガバ内相を起用すると発表しました。これを受け、ランドは急落し、内閣改造が噂された週初から約8%超下落しています。ゴーダン財務相が推し進めていた財政改革の頓挫や、従来から弱い民間投資の足かせになることが懸念され、投機的水準への格下げリスクも高まっています。
当面は神経質な展開
今回の更迭を受け、最大野党の民主同盟は大統領不信任案を提出する方針で、さらなる政局混乱が懸念されます。また、ギガバ新財務相の手腕は未知数であり、当面ランドは下値を探る展開が予想されます。
現状は不透明を嫌気したろうばい売りに押されていますが、内閣改造を含め政局の方向性が示されれば、好調な商品市況や高金利を背景にランドの割安感が強まり、底打ちに転じる可能性が考えられます。
アムンディ・マーケットレポートはこちら
アムンディ マーケット・レポート アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。
アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会
アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会