2月のISM景気指数について(米国)
2017/03/06
<投資信託>
- PMIは前月比+1.7ポイント、NMIは同+1.1ポイントと産業全般に景況感がさらに改善しました。
- 製造業、非製造業共に足元の活動と新規受注双方が上昇し、先行きも活動活発化が示唆されます。
- 出荷・在庫循環から見た生産環境の改善は世界的な傾向です。景況感は当面良好と期待されます。
大きく拡大した景況感改善の裾野
ISM(全米供給管理協会)が発表した2月のPMIは前月比+1.7ポイントの57.7、NMIは同+1.1ポイントの57.6でした。産業全般に景況感改善の裾野が大きく拡大し、製造業、非製造業合わせた36業種のうち32業種の景況感が改善しました。30業種を超えたのは14年10月以来のことです。
PMI、NMIの構成指数の動きを見ると、生産(NMIは活動)指数、新規受注指数の上昇が目立ちます。足元、先行き共に企業活動の活発化が示唆されるものです。PMI、NMIと関連性の高い鉱工業生産指数は徐々に水準を切り上げており、目先さらに上昇する公算大です。雇用指数が製造業で前月比-1.9ポイントとなっていますが、水準は54.2であり、非製造業の雇用指数(55.2)と並んで雇用が増加する傾向は変わりません。ただし、完全雇用と言われる中、指数自体の上昇余地は小さいと思われます。
企業の景況感改善は世界的な傾向
ここにきて企業の景況感、特に製造業の景況感改善が目立つのは、循環面で生産が増加しやすい局面になっていることが挙げられます。製造業の出荷・在庫循環を見ると(傾向を見るのに適した耐久財〔国防・航空機除く〕を使用)、1月時点では出荷増加と在庫減少が並存する、最も生産が増加しやすい局面にあります。
これは、先進国で共通した現象です。14年後半以降、商品市況下落と新興国経済の不振で世界的に在庫調整局面となりましたが、16年前半を底に、一斉に環境が改善に転じました。循環的には2~3年続く傾向であり、企業の景況感は当面良好な状態が維持されると期待されます。
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