ブラジル、4会合連続の利下げ~レアル相場の方向性は?
- ブラジル中央銀行(以下、中銀)が政策金利を12.25%に引き下げました。0.75%の利下げです。
- 食料の落ち着きなどにより物価環境は良好で、中銀は17年のインフレ見通しを下方修正しました。
- 通貨レアルは利下げ局面では上昇する傾向があり、今後も対ドルで堅調に推移すると期待されます。
予想以上のインフレ落ち着き
2月21-22日のCopom※で、政策金利のSELIC◇金利を13%から12.25%へと、4会合連続で引き下げました。0.75%の利下げは、全会一致で、市場予想通りでした。
中銀は声明文で、経済指標はまちまちなものの、世界的な経済成長の加速と、需要の高まりを受けた商品市況の回復が、ブラジル経済の追い風となっており、17年は穏やかな景気回復になると予測しています。また、食品価格の落ち着きやブラジルレアル(以下、レアル)上昇を背景に、好ましい物価環境となっており、17年のインフレ見通しを+4.4→+4.2%と下方修正し、中銀目標中央値の+4.5%を下回る見込みとしました。今後の金融政策については中立としながらも、インフレ収束や外部環境の落ち着き次第では、さらなる金融緩和の加速もあり得るとし、ハト派的な姿勢も見せています。現状の17年、18年末の政策金利見通しは、それぞれ9.5%、9%となっています。
※Copom(Comitê de Política Monetária):金融政策委員会 ◇SELIC(Sistema Especial de Liquidação e Custódia):決済・預託特別システム
レアル高を警戒?
レアルは、テメル政権が進める構造改革への期待や商品市況の回復を背景に、対ドルで年初から6%弱上昇しており、主要新興国通貨の中で最も上昇しています。
一方、過度の通貨高は景気回復の足かせになると中銀は警戒しており、通貨安抑制のために行ってきた通貨スワップの規模を大幅縮小したことは、急速な金融緩和とも合致しています。利下げ局面においては、上昇傾向にあるレアルですが、今回の緩和局面においても景気回復を先取りした海外資金の流入により、当面は堅調推移と見込まれます。
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