ユーロ圏の12月雇用、1月物価情勢
2017/02/01
<投資信託>
- 12月の失業率は9.6%と7年半ぶりの低水準です。ドイツの最低更新に対し、イタリアは上昇しました。
- 1月のHICP総合は前年同月比+1.8%と急上昇、エネルギー上昇の影響です。コアは横ばいでした。
- 現時点で金融緩和縮小の議論は時期尚早であり、当面はコアの底上げが待たれる局面です。
主要国で明暗分かれる
Eurostat(EU統計局)が31日に発表した12月の失業率は9.6%でした。09年5月以来、約7年半ぶりの低水準です。また、失業者数は前月比-12.1万人でした。26カ月連続の減少で、16年年間では125.6万人減少しました。
主要国の失業率はドイツが3.9%と、東西統一以来初の3%台となったほか、スペインは18.4%、高水準ながら約7年ぶりの低水準です。フランスは9.6%と前月比小幅上昇ですが、約4年ぶり、欧州債務危機の時期以来の10%割れが9月から続いています。一方、ここにきてイタリアが上昇して12.0%と、1年半ぶりの高水準です。金融システム不安で経済活動が委縮しているためと見られます。
「出口」の議論は時期尚早
また、同日発表された1月のHICP(速報)は、総合が前年同月比+1.8%と急伸した一方、コアは同+0.9%で横ばいでした。総合の急進は、エネルギーが同+8.1%と大幅に上昇したことが影響しました。
総合がECB(欧州中央銀行)のインフレ目標である+2%弱に到達し、金融緩和の縮小を彷彿させます。ただし、エネルギー価格上昇によるインフレ率上昇は「コストプッシュ型」といい、家計や企業の所得増加を伴わない、負担感が強まる形のインフレ進行であり、ここで金融緩和を縮小すると、必要以上に景気を冷やすおそれがあります。それでも、今後はエネルギー価格の上昇が徐々に一般物価に浸透し、年後半にはコア指数も+1%台半ば以上になると見込まれます。金融緩和縮小に現実味が増すのはそれ以降と思われます。
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