トルコ中銀、政策金利据え置き~リラ相場の行方は?
2016/12/21
<投資信託>
- 中銀の金融政策委員会は、政策金利の8.0%、上・下限金利の8.5%、7.25%を据え置きました。
- 政治不安による通貨安の防衛も必要ですが、今回は景気減速への対応を重視する政策判断でした。
- 10-12月期は景気が持ち直す方向にありますが、当面は通貨、景気両にらみのスタンスが続きそうです。
景気底打ち感はあるが慎重な判断
トルコ中央銀行(以下、中銀)は、20日に開いた金融政策委員会で、政策金利を8.0%で据え置きました。また、上限金利(限界貸出金利)、下限金利(準備預金金利)もそれぞれ8.5%、7.25%に据え置きました。トルコリラ(以下、リラ)が、国内の政治的、地政学的リスク増大もあって、大きく下落しており、通貨防衛の必要もありましたが、今回は景気減速もにらんだ対応となりました。
トルコは、年央から景気減速傾向が強まり、失業率が3、4月の10%割れから11%台まで急上昇しました。これは、クーデター未遂事件や地政学的リスク増大で、外国人観光客が大幅に減少したことが強く影響したと見られます。7-9月期の実質GDP成長率は7年ぶりの前年比マイナスに落ち込みました。中銀は、10-12月期は持ち直すと見ており、景気低迷は一時的と思われます。
割安感強く、景気持ち直せば反発余地も
リラは、米大統領選後、他の新興国通貨と同様、対ドルで下落しましたが、国内に不安要因を抱える分下落率が大きくなっています。ただし、それ以上にドル高・円安が進行したため、対円では底堅く推移しています。
不安先行で売られた分、リラは割安感も強まっていると見られます。年末から年明け後にかけて景気が持ち直すならば、反発局面も出てくると思われます。
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