11月の小売売上高と今年のX’mas商戦(米国)

2016/12/15
  1. 11月の小売売上高は前月比+0.1%と微増でした。自動車販売、無店舗小売業の減速が響きました。
  2. X’mas商戦は滑り出しは好調です。ただしネットでの購入に集中し、店舗売りは伸び悩んでいます。
  3. 17年も雇用・所得環境の改善が続き、個人消費が底堅く推移し景気をけん引する傾向でしょう。

ネットが席巻する今年のX’mas商戦

14日に米商務省が発表した11月の小売売上高は前月比+0.1%でした。10月の同+0.6%からは減速しました。自動車が同-0.5%と6カ月ぶりに減少に転じたことや、無店舗小売業が同+0.1%と10月の同+1.4%から急減速したことが影響しました。好調だった9、10月の反動という面もあると思われます。

今年のX’mas(クリスマス)商戦は好調な滑り出しです。指標となるNRF(全米小売業協会)ベースの小売売上高は前年同月比+5.1%と、X’mas商戦序盤戦の11月としては5年ぶりの高水準となりました。今年は店舗売りの同+0.7%に対して、ネット販売を中心とした無店舗小売は同+15.3%でした。小売業者の間で、ネットで販売予約して店舗で受け渡す方式(phygital〔physicalとdigitalを合わせた造語〕)が活用されたことも影響したと見られます。

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急速に持ち直した消費マインド

また、9日に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数(12月速報)は98.0と、年初来最高となりました。水準としては15年1月以来の水準で、当時は商品市況の急落が世界的な景気先行き不安につながり始めた頃に当たり、景気減速懸念をようやく克服したと見られます。

11月の失業率は4.6%、失業者数は740万人で、いずれもリーマンショック前の07年の水準まで戻しています。それが徐々に賃金の増加ペースを押し上げ、良好なマインドにつながっていると思われます。17年の米国経済も個人消費がけん引しそうです。

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