16年7-9月期GDP統計速報(米国)~金融政策、ドル・円相場への影響は?

2016/10/31
  1. 実質GDP成長率は前期比年率+2.9%でした。内・外需バランスした成長に在庫回復が加わりました。
  2. 16年は年前半の減速が響き+1%台の成長ですが、17年は+2%程度に回復すると見込んでいます。
  3. 12月利上げの確率は高水準となっており、最近のドル高・円安傾向を当面支えると期待されます。

設備投資が2期連続のプラス寄与

10月28日、米商務省が発表した16年7-9月期の実質GDP成長率(速報)は前期比年率+2.9%でした。14年10-12月期以降、+3%未満が続いていますが、その中では最高となりました。

今回は、個人消費が減速したのに対して、設備投資が底堅く、久しく削減傾向が続いていた在庫投資がプラスに転じ、輸出入双方の伸びが加速するなど、バランスのとれた成長の形になりました。輸出入は輸出の伸びが輸入を大きく上回り、純輸出(輸出-輸入が)のプラス寄与が拡大したことで、世界経済の下げ止まりが感じられます。また、設備投資が2期連続プラス寄与となり、在庫投資の動きと合わせ、企業活動が前向きになっていることも明るい点です。16年は、年前半が+1%未満の成長率に鈍化したことが響き、+1%台の成長率にとどまるものの、17年にかけては+2%程度の成長率に落ち着いていくと見込んでいます。

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緩やかな利上げ傾向への確信高まる

米国で好調な指標が目立ったことから、9月後半以降、利上げ確率が上昇しました。BloombergがFF金利先物の価格から算出した12月の利上げ確率は一時70%を超えました。10月28日は、クリントン氏の私用メール問題が再燃し、69%に下がりましたが、12月の利上げがコンセンサスであることは変わりません。

17年については、1~2回の利上げの確率が49%とコンセンサスになりつつあります。景気拡大の持続と緩やかな利上げ傾向に対する確信が高まることが、当面、ドル高・円安傾向に対する支援材料になると期待されます。

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