9月の「街角景気」について(日本)

2016/10/11
  1. 判断DIは現状が低下した一方、先行きは上昇し、年末に向けて景気持ち直しの期待が高まっています。
  2. 企業の業況改善が続くほか、天候要因等で足元もたつく個人消費関連セクターも落ち着く方向です。
  3. 雇用環境改善に加え、景気対策効果も期待され、年度後半は現状も含めDIは上昇が期待されます。

個人消費に反動も含め持ち直しの期待大きい

「街角景気」は正式には景気ウォッチャー調査といい、小売店員、サービス業者、中小企業主など、全国2,050名の「景気ウォッチャー」によって、経済の末端の景況感を測ったものです。5段階で景気の現状、先行きを評価し、判断DIを集計します。50が景気に対する中立点です。

本日、内閣府が発表した9月調査では、現状判断DIが前月比-0.8ポイントの44.8、先行き判断DIが同+1.1ポイントの48.5でした。現状判断DIでは台風等の悪天候の影響が一部の地域に残り、小売、飲食、旅行などが弱めでした。一方、先行き判断DIは落ち着く方向にあり、むしろ、夏場に落ち込んだ反動も含め、年末にかけての売上好転見通しが比較的多く聞かれました。

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企業活動を起点にした景況感の底上げに期待

一方、企業動向関連は堅調です。英国のEU離脱で一時大きく落ち込んだこともありましたが、現在は完全に持ち直し、年初の水準をほぼ回復しています。特に製造業の回復ぶりが目立ち、円高の業況への悪影響も吸収しつつあります。雇用関連も小幅ですが上昇しました。非製造業中心に人手不足感が強まっている様子が反映されています。

年度後半は、財政支出の前倒しが一巡する一方で、事業規模28兆円の景気対策によって切れ目のない景気下支えが続く見込みです。一部に、追加の財政措置も取り沙汰されており、景気底上げへの期待が膨らみそうです。また、労働需給のひっ迫が次第に賃金の伸びにも表れており、雇用、所得双方の環境改善が今後の個人消費に好影響を与えることが期待されます。

 

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