インドネシアの金融政策と今後の市場展望
2016/09/23
<投資信託>
- 新BIレート(1週間レポ金利)は0.25%引き下げられ、5.0%となりました。年初来5回目の利下げです。
- 低インフレが続いています。約6年半ぶりの前年比+2%台でインフレ目標の下限を下回りました。
- 米金融政策への思惑で株価は上下に振れていますが、利上げペースの緩慢化はルピアにプラスです。
低インフレで緩和スタンス継続へ
9月21-22日、BI(インドネシア銀行)が定例理事会を開き、政策金利の新BIレート(1週間レポ金利)を5.25%から5.0%へ引き下げると決定しました。旧レート時代と合わせると利下げは年初来5回目です。
8月のCPIが前年同月比+2.79%と、09年12月以来6年8カ月ぶりの+2%台に低下し、利下げの一因になりました。動きの大きい食品や、政府統制品目(燃料など)の価格が前月比で下落した影響が大きく、一時的との見方もありますが、14年に+4±1%のインフレ目標を設定して以来、初めて下限を割り込んだことが低インフレを印象付けました。BIは、17、18年のインフレ目標を+3.5%とする一方、レンジは+3~+5%で変えておらず、当面は緩和的なスタンスが続くと思われます。
米金融政策の「ハト化」は株、通貨にプラス
BIは今年後半のインドネシア経済について、これまで旺盛だった政府支出が一服することが成長の重しになると見ていますが、個人消費を中心に民間需要が下支えし、16年年間では+5%前後の実質GDP成長率を予想しています(15年は+4.79%)。
9月に入って、米金融政策に対する思惑が錯綜し、株価は一時大幅に下落したものの、底堅い経済見通しを背景に持ち直しています。また、インドネシアルピア(以下、ルピア)は、FOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げが見送られたことを受け、足元は対ドルで上昇しました。また、17年のFF金利見通しで年間の利上げ回数が減少(3回→2回)し「ハト化」したことも、ルピアにプラスに影響すると思われます。
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