トルコ金融政策とトルコリラの展望~利下げのメドは?
2016/09/23
<投資信託>
- トルコ中央銀行(TCMB)は、限界貸出金利を8.5%から8.25%へ引き下げました。7会合連続です。
- 景気減速でインフレ率が鈍化しつつありますが、レポ金利引き下げの可能性は当面低いと思われます。
- 年末に向けて景気持ち直しが見込まれ、リラは対ドルで安定、対円も底堅く推移すると期待されます。
利下げはあと1回?
TCMB は、22日に金融政策委員会を開き、政策金利を7.5%に据え置き、上限金利の限界貸出金利を8.5%から8.25%へ引き下げました。
TCMBは金融政策の簡素化を進めており、最終的に政策金利を中心に上下同幅の上・下限金利を設定すると見られます。今回の利下げで、レポ金利±0.5%とする可能性が高まったと見られ、限界貸出金利は今少し下げ余地があると見られます。
一方、8月のCPIが前年同月比+8.05%と4カ月ぶりに鈍化しました。TCMBは最近の景気減速が影響していると見ており、さらなる緩和が考えられなくもありません。しかし、早期にインフレ目標の上限(+7%)を割り込む公算は、現時点では小さいと見込まれ、政策金利を引き下げる可能性は当面低いと思われます。
社会の正常化と利下げの景気刺激効果に期待
トルコリラ(以下、リラ)は、非常事態宣言発令中にもかかわらず安定しており、現在は1ドル2.9リラ台で推移しています。
クーデター未遂事件以降、経済活動の萎縮から7-9月期は景気が減速する可能性が高いものの、非常事態宣言終了(10月21日)以後は、抑えられていた経済活動の反動も含め持ち直しが見込まれます。加えて、これまでの限界貸出金利引き下げによる景気刺激効果も期待され、リラは下支えられると思われます。なお、ドル・円相場は1ドル100円を底に底堅いと見込んでおり、対円も底堅く推移すると期待されます。
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